うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

読書感想

中国人を登場させてはならない

今日は読書感想です。 この本もなんで借りたか覚えてません。 たぶん書評でほめられてたからでしょう。 密室黄金時代の殺人 ミステリのなかで密室ものはオタク度が高いです。 なかでもこの小説は密室の謎解きに特化していて、 そのためだけに実に都合の良い…

教祖の「解脱」を考えたスイッチ

だれかがほめてたから借りたんでしょう。 いまとなってはなんで読んだかわかりません。 スイッチ 悪意の実験 book.asahi.com 第63回メフィスト賞の本格ミステリー長編! メフィスト賞って、 全ての応募作を編集者が読んで、 編集の誰かがその作品を気に入…

言葉を遊びつくす献灯使

ノーベル文学賞の候補になってたので、 先に読んでおこうと思いました。 受賞しなかったけど、多和田葉子の小説です。 献灯使(けんとうし) 風変わりな小説です。 表題作も含めて5作が収録されています。 連作ではなくて、それぞれスタイルも中身も違うけ…

読みが外れた戦場の素顔

日本原水爆被害者団体協議会が ノーベル平和賞を受賞しましたね。 これで核兵器の使用を思いとどまる空気が 強まることを祈りたいと思います。 戦史の大家が書いた本を読みました。 著者のジョン・キーガンは、 大規模な軍隊が正面からぶつかり合う「会戦」…

えこひいきの定家

20歳のころから日記をつけて半世紀。 1日も欠かさず書き続けていると、 やめられなくなるもんです。 自分の人生に空白(自分がなにをしたかわからない日)が 生じるのが怖いというか。 でもたいがいの人は、何年前の何月何日、 なにをしてたかって訊かれ…

光秀は信長の原理で動いたのか

こないだの近江舞子からの帰り、 途中越えを通りました。 そのときに思い出したのが 「信長の朽木越え」です。 1570年、越前朝倉攻めの際、 妹のお市を嫁がせて同盟関係にあった 浅井長政に裏切られ、窮地に陥った信長は、 朽木街道を抜けて京都に逃げ戻…

京都人の蹉跌

川端三条上がるの檀王法林寺さん、 うめなかライブの会場に借りたり、 催しに呼んでいただいたりとお世話になっています。 その檀王法林寺さんの檀信徒総代の方が 自費出版された本を読ませていただきました。 月影のいたらぬ里はなけれども サブタイトルは…

活用できないChatGPT活用大全

先週は長そで長ズボンだったのが、 この週末、半そで半ズボンになってます。 今日は暑いのかしら。 クリエイターのためのChatGPT活用大全 久しぶりにChatGPTを使ってみようと思って借りました。 生成AIってやつです。 現役ライターとしては商売敵が気にな…

難解だけど吹いてしまう

今日の読書感想はマンガ本なんです。 でも難解すぎて歯がたちませんでした。 なんだけど、やっぱり面白かったんです。 去年、高校の同窓会で久しぶりに再会したYくんから、 青春時代の思い出をまとめた手記を送ってもらって、 ときどき読んでいます(まだ読…

敵前の森でミステリ

雨ですねえ。 うめなか日記でも超人気のない読書感想です。 昨日、なかせさんが稼いだアクセス数は、 一気に下降することでしょう。 (こう書いとかんとなかせさんがうるさい) 面白い小説なんです。 作者の名前は古処誠二(こどころ せいじ)。 聞いたこと…

同志とは? 敵とは?

この本、とても人気があって借りるまでに 半年以上待ちました。 同志少女よ、敵を撃て 著者は逢坂冬馬という若い人です。 「おうさか」ではなく「あいさか」。 500ページ近い大作なのに、 ライト感覚で読みやすいです。 といっても軽い内容じゃなくて、 …

爪と目の因果な関係

はじめてあなたと関係を持った日、 帰り際になって父は 「きみとは結婚できない」と言った。 書評に小説の書き出しが引用されていて、 あまりのわけわからなさに 好奇心がむくむくともたげてきて 借りてしまいました。 「あなた」と「父」、語り手との関係は…

嫌われた監督は個を以て尊しとなす

スポーツオンチなもんで、 落合博満(ひろみつ)の本とは知らずに借りました。 野村克也のことかと思ってたんです。 でも、面白かったです。 中日監督時代の落合の話。 落合はTBS「サンデーモーニング」に ときどき出ているので知ってる程度。 シニカルと…

泣きごとは一切言わねえ人間になりてえ

イギリスの文豪、ディケンズ。 こないだ「クリスマス・キャロル」を 読んだばかりで、次がこの代表作。 大いなる遺産 多くのサイトで、主人公のピップは 孤児として紹介されています。 でも、ピップは姉とその夫である鍛冶屋のジョーに 育てられています。 …

ただのエッセイじゃなかった枕草子

いま大河ドラマ「光る君へ」をやってるので、 この本は3割増しで面白かったです。 登場人物は「光る君へ」のキャストでいうと、 清少納言 ファーストサマーウイカ 定子 高畑充希(みつき) 道長 柄本佑(たすく) 一条天皇 塩野瑛久(あきひさ) 伊周 三浦…

汚れた服は冷凍する

宇多田ヒカルの最新ベストアルバムは SCIENCE FICTION っていうんですね。 宇多田ヒカル曰く、 かっこいいでしょって。 今回読み終えた本もサイエンス・フィクションです。 SFは大好きで、映画も本も、 ときどき見たり読んだりしてます。 自分の印象でいう…

有言実行! 13年後のユーミン

仕事に必要だったので読みました。 13年前に出たユーミンの対談本です。 才輝礼讃 38のyumiyoriな話 本書は、読売新聞水曜夕刊「Pop Style」にて 2008年8月から2011年8月まで連載された 「yumiyoriな話」を再編集したものです 2008年、リー…

読んで楽しい、批評の教室

ああ楽しかった! 読んでためになった! なんて感想を書いたら、 著者の北村紗衣(さえ)先生に叱られてしまいます。 それでもすごくいい本でしたと言いたいです。 読んでいるうちに著者のことを、 大好きになっていく本でもありました。 あの本、あの映画、…

無力の人、イエスの生涯

今朝、大きな地鳴りがしました。 地震かと思ったけど、雷ですかね。 ずっと雨です。 さて、報道でガザの悲劇を見ていると、 もしもあの地にあの人がいま生きていたらと想像します。 お前は救い主なのになにもしないのか 奇跡を起こして我々を救ってくれ と求…

言葉が落ちてくる、ここはとても速い川

3月に入って、ちょっとずつ あったこぅなってきてますかね。 今朝、朝刊を取りに行ったら、 車の屋根に雪が積もってましたけど。 うめなか、今月は3回もライブがあったんです。 社共、青春、府庁。 (知らん人は「なんのこっちゃ」です) 知らんかったなあ…

ウはウクライナのウ

トランプ勝利のニュースです。 ウクライナの人たちはどんな思いでいるのか、 ちょうどこの本を読んでたんです。 物語 ウクライナの歴史 この本は10年以上前に出版されていて、 ロシアとの戦争について予言めいたことは とくに書かれていません。 最新情報…

実家はラブホテルローヤル

実家が「ホテルローヤル」というラブホテルだった作家、 桜木紫乃の連作短編集(直木賞受賞作)です。 そのプロフィールに興味を惹かれました。 ぼくもかつてラブホテルの仕事をしていたし、 その仕事で知り合ったオーナーさんとは いまでも付き合いがありま…

東京人の食べログ in 京都

今日と不安ない と変換されていまいました。 名前は知ってるけど読んだことはない という作家はいっぱいいます。 その一人がこの「森まゆみ」という人です。 肩書は作家・エッセイストですけど、 さて、どういう方面の人かというと、 さっぱりわかりません。…

懐かしくも怖ろしい場所の話

その場所に近づくだけで、 胸が苦しくなることがあります。 そういう「場所」はいくつかあって、 だけど、そこをあえて傷口に塩をすり込むようにして、 もう一度巡ってみたいとは思いません。 それをやってしまうのが作家の業なのでしょうか。 瀬戸内寂聴の…

直木賞受賞の理由

宮部みゆきの直木賞受賞作 理由 読みました。 非常に評価の高いこの作品なら、 ぼくでも面白さが理解できるかと思いました。 だけど脳みそ弱者には難しかったです。 宮部みゆき作品らしくリーダビリティの高い、 文句なしに読みやすい小説です。 文庫本で7…

ジュリーのいた河原町

昨年、最後に読み終えた本が、これ。 ジュリーの世界 ジュリーとは「河原町のジュリー」と呼ばれる浮浪者のこと。 本作は河原町のジュリーを題材とする、 虚実ないまぜの小説です。 フィクションとはいえ、 実在する河原町のジュリーについては 相当に取材し…

ジャニーズとこの世の春

いつも単独ライブでお助けいただいている うらないしさんが絶賛されてたので 読んでみました。 この世の春 江戸時代のとある小藩を舞台にした サイコミステリーとのことです。 文庫本3巻、およそ1000ページもの物語を、 最後まで紡(つむ)いでいく、 …

25日といえばキャロル

今日は12月25日。 といえばディケンズのこの1冊。 息子の文庫だと思うんですけど、 家にあったので読みました。 クリスマス・キャロル キャロルというのは、ウィキペディアによると、 祝歌、頌歌(しょうか)と訳される賛美歌の一種 とのことです。 キ…

脳内でタイムトラベル?

同じ本のことで恐縮ですが、 ついに3回目も書いてしまいます。 いつぺんに書くとめっちゃ長くなりますから小分けして。 謎の古代文明 実はこの本で最も興味をひかれたところを、 書いてませんでした。 この本の中には何度も、過去の文明を滅ぼした天変地異…

異形の秀頼探偵が推理

とうとう12月です。 うめなかは4回くらい「出演」があるみたい。 多いですよねえ。 音楽仲間では少ないほうみたいですけど。 今朝はいちだんと冷えてきた気がします。 寒い夜、あったかいお布団に入って読むミステリは格別。 誰が千姫を殺したか というタ…