トランプ勝利のニュースです。
ウクライナの人たちはどんな思いでいるのか、
ちょうどこの本を読んでたんです。
物語 ウクライナの歴史
この本は10年以上前に出版されていて、
ロシアとの戦争について予言めいたことは
とくに書かれていません。
最新情報はないけれど、
ウクライナのことがバクっとわかります。
副題に「ヨーロッパ最後の大国」とあるように、
まずウクライナって意外に「大国」でした。
面積は 日本の約1.6倍で、
ヨーロッパではロシアに次いで2位。
人口は1991年の独立当時で5200万人。
ロシア、ドイツ、イギリス、イタリア、
フランスに次いで、第6位で、
スペインやポーランドをはるかに上回るそうです。
ヨーロッパで5000万人規模の国家が成立するのは、
19世紀後半のドイツ、イタリアの統一以来なんですって。
(日本も少子化とはいえまだまだ人口大国なんですね)
ウクライナの始まりは、
キエフ・ルーシという国です。
8世紀末頃、北欧から来たヴァイキングの一族が
ノルマン人とスラブ人が同化した民族で、
この国は10~12世紀にはヨーロッパの大国として君臨し、
形づくったといいます。
ロシアの本家筋なんだけれど、
モンゴルの侵攻なんかでキエフが衰退して、
そこから分家筋のモスクワが台頭していき、
スラヴ民族の中心はロシアに移っていきます。
ルーシという名前もロシアにもっていかれて、
自分たちの土地を表すために
「ウクライナ」という名前を
新しく作らないといけなかったそうです。
ウクライナはずっと自分の国がなくて、
逆にロシアは我こそはキエフ・ルーシを継ぐ
正統の国家と称したので、
ウクライナはロシアの一地方と思われてたんですね。
長い歴史のなかでウクライナが自分の国を持てた期間は短くて、
大穀倉地帯にもかかわらず何百万もの餓死者を出したり、
大国の戦争に巻き込まれ、同じ民族同士が戦うなど、
悲惨な経験をしてきました。
ウクライナに多くの移住者を送り込み、
莫大な資金を注ぎ込んできました。
それゆえ自分たちがウクライナを
豊かな地域にしてやったんだ
という自負があります。
いまみたいに紛争が深刻化する前から、
腐れ縁の男女みたいな関係に感じます。
地続きの国って、つくづく大変だと、
この本を読んでいて思いました。
ウクライナの戦争は3年目に入っています。
2022年2月24日の侵攻以来、
この本は人気で借りられませんでした。
いまは予約者ゼロ。
ウクライナへの関心がそれだけ
低下してきたということですね。
図書館にはウクライナ支援の募金箱がいまも置いてあります。