うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

ポールのひと工夫

4月4日のライブのお知らせはがきのキャッチ、

f:id:umeharanakase:20210301163831j:plain

April come We will

は、もちろんだれもが知っている

サイモン&ガーファンクルの、

April come she will(四月になれば彼女は)

のもじりなんですけど。

www.youtube.com

それで改めて、この歌をじっくり聴いてみました。

学生時代にギターをコピーしていたつもりでいたのですが、

いまごろになって、

あれ? ここ、こんなふうに弾いてる!

と気づきました(遅い!)

これ、キーはA♭で、プレイキーは1カポGです。

Gのメジャーで始まって1番と2番はEmで終わり、

最後の3番はGメジャーで終わる構成はうまいなあと思います。

4月5月……と季節感を出しつつ、春夏秋冬ではなく、

秋で終わることで静かな余韻を残します。

 

で、コードの話。

April come she will

に続けて、

When streams are ripe and swelled with rain

(川が満ちて雨で潤うころ)のところ。

コードは単純にAm→Em→Am→Emと進むかと思いきや、

最初のAmの次はEmじゃなくて、

Amのフォームのまま右手親指で弾くベース音が、

5弦開放、6弦3フレット、6弦1フレット

と下がっていってEmに至るベースランニングでした。

(このときのAmのポジションは人差し指を外してx0220x)

ベースの音だけ拾うと、5弦のAから6弦G→F→E。

A           G     F       E

When streams are ripe and swelled with rain

 

なるほどなあ。

だからあんなに不思議な感じがするのか。

曲調の不安感ともマッチしていると思います。

 

プロの料理は一味違うというけれど、

ポール・サイモンのギターもシンプルなギターワークに、

ひと工夫してありました。

このベースラインはインストゥルメンタル

「アンジー」なんかといっしょで、

ポールにはとっても自然な選択だったんでしょう。

 

そんなこともう知ってるよとおっしゃるS&G好きの方、

多いと思います。

いまさら新発見みたいに書いて、お恥ずかしいことでした