うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

切腹を思い出す127時間

3月11日がまた来ました。

あれから13年もたったって嘘みたい。

あの日も今日みたいに快晴でした?

うめなかはなにも知らず練習をしてました。

時間だけが過ぎていきます。

 

さて、ここ数年のことですが、毎週予約で、

テレビ大阪の深夜映画を録画してます。

この枠はけっこう面白い作品を放映してて、

だれもが知ってる大ヒット映画じゃなくて、

スマッシュヒット程度の、

見逃しがちな映画が多くて重宝してます。

 

レコーダーに録画されてたタイトルを見て、

あれかも? と思いました。

登山家アーロン・ラルストンが体験した実話を

映画化したサスペンスドラマ。

127時間

以前、あらすじを読んで、ラストが想像できたので、

見たくないなあと思ってた映画です。

 

そのあらすじとは――

 

2003年、当時27歳だったアーロンは

一人でユタの険しい谷へロッククライミングに行くが、

誰も通りそうにない谷間で落下し、右手を岩に挟まれてしまう。

そこから5日間、身動きの取れなくなったアーロンは

ついに思い切った行動に出る……。

 

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「思い切った行動」は予想できますよね。

そこを見るのはつらいなあと思ったんです。

でも見てしまった。

 

主人公は家族にも行き先を告げず、

デイパックひとつの軽装で、

一歩足を踏み外したら死に直結みたいな場所を

軽々と駆け抜けます。

彼は27歳。

ぼくがメキシコ旅行をしてたときと同年齢です。

だから主人公の無敵感覚、わかる気がするんです。

 

だれの助けも得られない場所に、

ひとり踏み込んでしまうと、

自己防衛のため心身を奮い立たせる必要からか、

アドレナリンがバンバン放出されて、

それが根拠のない自信を生み(虚勢と同義)、

まわりの世界が凡庸な書き割りのように見えてきます。

不思議な高揚感、万能感があって、恐怖心が消えるんです。

 

グァテマラにいたときは富士山クラスの山に、

ハイキング程度の荷物で登ったりしました。

わずかなビスケットと紙パックのジュースだけ持って。

高山病になっても不思議はない高さでした。

実際、1センチずつくらいしか前に進めなくなって、

初めて自分の体の変化に気づきました。

 

この主人公もハイになって荒野を駆け巡っていたのが

突然、奈落の底に落ち込んでしまって、

さあ、そこからです。

右手が岩に挟まって、

押しても引いてもビクともしません。

削っても引っ掻き傷がつく程度です。

このままでは衰弱のはてに死ぬだけ。

助かるには右手をあきらめるしかありません。

右手が大事か、命が大事か、

答えを出すまでに127時間。

食料と水が尽きたあとでないと決断できないですよね。

どっちにしても死ぬ!

ってとこまで追い詰められないと。

 

五体無事なままでなにもせずに死ぬか。

チャンスに賭けて前向きに死ぬか。

若者は後者を選びます。

 

【ネタバレになります】

あらすじから想像できる通り、

主人公は右腕を切り落とすことになります。

ただし、中国製の粗末な万能ナイフしかなくて、

刃渡り5センチほどなので、

腕を切り落とすまでいきません。

「痛い」って要素、「痛みで気絶する」って要素が

二の次三の次になるくらい切断は大事業。

なまくら包丁でレンコンを切る以上の難事業です。

映画「切腹」で見たんですけど、

竹光で切腹するより難しそうだと感じました。

切腹」と「127時間」の二本立て、見とないなあ。

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肘の上あたりで止血ベルトをして、

切れないナイフを腕の真ん中に突き立てて、

そこから前後左右に傷口を広げていく感じでしょうか。

肉が潰され、腱が引きちぎられ、血管は破れ、

最後に骨はどうやって割ることができたのか。

そこまでやり抜く精神力に感嘆しました。

ああ、しんどーーー

映画の終り、エンドロールのあとだったか、

本人のその後の元気そうな姿が見られてほっとしました。