うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

ボーイソプラノの命は短くて

今日もいい天気。

中国自動車道は池田あたりで渋滞

とテレビに流れています。

人生振り返ってみて5月の連休に

どこかに出かけた記憶がまったくありません。

いちばんの理由は仕事で忙しいせい。

次に人が多いところが苦手、

行列は絶対いやという性根のせいでしょう。

そして性根といえば少年合唱団です。

(えらい! 渋滞から合唱団に寄せてくる力技!)

 

音楽映画には「合唱団もの」というジャンルが

あるのではないでしょうか。

そのなかにさらに「少年合唱団もの」というサブジャンルも。

 

古くはウィーン少年合唱団の映画「野ばら」を、

子どものころ、白黒映画で見た気がします。

「青きドナウ」もありましたか。

ドナウは1962年のディズニー映画だそうです。

あらすじを読むとボーイソプラノの少年が主人公です。

ボーイソプラノとは、

変声期前にソプラノの音域に恵まれた

青少年男子の歌手について用いる語である。

 

やはり少年合唱団というとボーイソプラノが主役です。

この映画、深夜放送を録画して見ました。

 

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声

www.youtube.com

 

アメリカ少年合唱団」というのがあるようです。

小学校5年生から中学校2年生(9~14歳)の

男子のみの寄宿学校で団員を育成し、

コンサート・ツアーで全世界をめぐるほどの人気と実力があるとか。

そこがモデルなのかどうかわかりませんでしたが、

映画では「国立少年合唱団」(National Boy Choir)付属の、

寄宿学校が舞台になっています。

「National」を「国立」と訳すのが正しいかどうか。

字幕ではそうなっていました。

 

物語はごくごくお決まりのパターン。

貧しいシングルマザーのもとで育った少年が、

小学校の校長に才能を見出されて名門少年合唱団に入り、

さまざまな葛藤のなかで自身の人生を切り開いていきます。

あんなにやさぐれていた少年がなぜ改心して、

どのようにして自分の進むべき道を見つけていったのか、

その描き方に説得力はないけれど、

ついには頂点にたどり着くという成長物語は

やはり見る者の心を惹きつけます。

 

合唱団の団長ダスティン・ホフマンがポロロンと

ピアノで和音を鳴らすと、主人公はその和音名をあてて、

そこからどの音が抜けているかまで聴き取る耳をもっています。

音感だけでなく喉もすごい主人公。

ハイDまで出せるという

ボーイソプラノの才能をいかんなく発揮します。

 

ボーイソプラノとしてうたえるのはあと1年か、

長くて2年、と告げられた主人公は、

すぐにうたえなくなるのに

どうしてこんなに努力しないといけないの? 

と担当教師に訊きます。

この問いはすべての人間の問い、

ひとはいつか死ぬのにどうして

一生懸命生きないといけないの?

と同質の問題意識でしょう。

それなのに答えはいまいちです。

強くなるためだよ

と先生は答えます。

この先生が「glee」で車いすの生徒を演じていた俳優です。

ちょっと脚本が弱いなというのが評論家うめはらの感想です。

 

とはいえ、この映画の魅力は俳優陣が

それぞれの仕事を手堅くこなして、

存在感を発揮しているところにあります。

団長のダスティン・ホフマンをはじめ、

合唱団の校長にキャシー・ベイツ

小学校の校長にデブラ・ウィンガー……。

 

ぼくはデブラ・ウィンガーが大好きなのに、

最初見たときはだれかわかりませんでした。

年齢がだいぶいっておられて(もう67歳!)、

まさかこんな容姿になっておられたとは……

ちなみにデブラ・ウィンガー

「愛と青春の旅立ち」が有名ですけど、

ぼくのお気に入りは「夜霧のマンハッタン」です。

めっちゃ色白のツンデレさんでした。

 

若いころ音楽を学んだダスティン・ホフマンの自伝的映画

という情報もありましたが、本当でしょうか。

とりあえずコーラスが大好きな人にはお勧めの映画です。

 

ちなみに、男の子の変声期は時代とともに

遅くなってきているという情報もありました。

古い時代においては平均的に、現代よりは変声期が遅かった。

例えばヨハン・ゼバスティアン・バッハは、

16歳半ばまで傑出したボーイソプラノと看做されていた。

しかし男子が、それぐらいの年齢で変声期を迎えずに

ソプラノ音域を歌うということは、

今日の先進国ではかなり稀なケースである。

というのも先進国では、変声期がより早い年齢で

始まる傾向が見られるからである

(おそらくその原因は栄養にあり、蛋白質やビタミンの

豊富な摂取が可能になったためと見られる)。

 

そうそう、数日前に見た「ダイ・ハード

(1988)がめっちゃ面白かったです。

映画の楽しい要素が全部盛り込まれた映画らしい映画です。

この頃は、携帯がない、日本経済絶好調、喫煙ノープロブレム

という時代だったんですね。

阪神淡路大震災(1995)も同時多発テロ(2001)も

もっとあとの出来事です。

10回以上見てるはずなのにまたまた楽しめました。

 

 

 

今日の絵は、アメリカの画家ジョージ・ベローズ(1882-1925)の作品です。

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