うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

歴史をカタルーニャ

正確には津波と断定できないそうですね。

津波地震で起こるもので、

海底火山の噴火で起こるのは海面変動。

大きな気圧の変化があって、それが海面に影響を及ぼしたとか。

 

トンガ諸島の火山島の名前が、

フンガ・トンガ フンガ・ハアパイ

って、噴火トンガ噴火っていってるみたいです。

 

物語カタルーニャの歴史

を読みました。

バルセロナについて調べていて、

その資料図書として手に取ったもの。

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「物語」と題するだけあって面白くて

するするっと読めました。

 

バルセロナは紀元20年ごろにつくられた

ローマの植民都市バルキノが始まりです。

現在はスペイン第2の都市で、カタルーニャ州の中心地でもあります。

人口は京都市よりちょっと多いくらい。

だけど歴史はもっと古いし、海(地中海)に面してるってとこは大違い。

 

もっと大きな違いは独自の言葉や文化を持つ点です。

京都にも京都弁とイケズ文化があるんですけど、

そういう方言なんかじゃなくて、独自に発展した言語、

カタルーニャ語というのがあって、

これはスペイン語カスティーリャ語)と

ルーツは同じでも途中から枝分かれした、

別の言語なんですね。

 

なのでカタルーニャはつねに独立心を持っていて、

いまでも独立運動が続いています。

 

バルセロナといえばガウディのサグラダファミリアや、

FCバルセロナで有名です。

それから1992年のバルセロナオリンピック

当時まだ14歳だった岩崎恭子が、

「いままで生きてきたなかでいちばんしあわせ」と発言したり、

有森裕子人見絹枝以来64年ぶりの銀メダルを獲得したことで

記憶に残る大会です。

 

ちなみに有森裕子が、銅メダルだったんだけど、

「初めて自分で自分をほめたいと思います」

と涙ながらに語ったのは4年後のアトランタでした。

この「自分で自分をほめたい」という言葉は、

高石ともやが書いた詩の一節を引用したものだと

ウィキペディアにありました。

知らんかったなあ。

 

話をバルセロナに戻すと、1936年に人民オリンピックというのが、

バルセロナで計画されていたそうです。

同じ年、ナチスが開催するベルリンオリンピックに対抗して、

スペインの反ファシスト勢力(実は単純な図式ではない)が、

バルセロナに結集していました(彼らは国際義勇軍の第1陣になります)。

でもフランコ将軍のクーデターで人民オリンピックは幻に終わり、

そこからスペインは内戦、フランコ独裁へと進んでいきます。

 

バルセロナはつねに中央からにらまれて

政治的文化的に迫害を受けてきたわけですが、

産業に専念したおかげでイベリア半島で初めての産業革命を実現し、

経済的には大発展を遂げて、

いまやバルセロナが属するカタルーニャのGDPは、

スペイン全体の20%もあるそうです。

現在もスマートシティの世界大会とかあって、

あの「人新世」で有名な若い学者さんが注目するくらい

先進的な文化都市なんですね。

 

カタルーニャは大きな自治権を与えられた自治州ですが、

それでも独立を求める理由として、

独自の言語と文化をもつ民族として自立したいということのほかに、

経済的問題もあるということです。

カタルーニャが中央に収める税金と、

交付金などで戻ってくる金額との差額は、

カタルーニャのGDPの8~9%で、

これは2位のドイツの州の2.9%を大きく引き離して、

ヨーロッパ一なんだそうです。

なんでおれたちばっかり収奪されるんだという不公平感が、

独立志向を後押しするわけです。

日本でも自治体格差が問題になってますけど、

経済的な問題より政治的問題のほうが深刻です。

基地を押しつけられてばっかりの沖縄のことを思います。

 

その昔、井上ひさしの「吉里吉里人」って小説がありました。

日本政府に愛想を尽かした村が「吉里吉里国」として独立を宣言する

って内容で面白かったので、ほんとにそんなことできる?

と思っていろいろ調べて行政法のゼミでレポート提出したんだけど、

教授にまったく評価してもらえなかったです。

 

水道水がまずくなって、料金も上げられた向日市も、

「ムコウ国」として独立宣言したらどうでしょ。