うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

クリ meets ケン

昨日はクリさん主宰のライブでした。

 

クリさんのライブには3種類あるそうで、

オートハープ奏者がゲストのとき、

クリさんひとりのとき、

お友だちが来るとき、です。

 

昨日は50年来の付き合いだというケンさんが来る

「譜ぅて何」ライブです。

この組み合わせは1年ぶり以上ですかね。

 

会場は河原町二条、ビルの地下にあるアイリッシュパブ

GNOME」(ノーム)でした。

皆さん、ギネスの黒ビールを飲んでられたので、

ぼくもそれを。

ここからほとんど減りませんでした。

いつもでしたら詳しくセットリストを書くんですけど、

今日は全然余裕がなくて簡単にご報告を。

 

クリさんソロ、ケンさんソロ、

そしておふたり協演という順でした。

クリさんはニール・ヤングの曲を思い出させる

”オリジナル”から始められました。

「2カポ」と呼ぶ、1音高く調律しオートハープと、

通常のとをとっかえひっかえ。

ケンさんはバンジョーと4弦テナーギターをとっかえひっかえ。

左手の人差し指がへバーデン結節になってしまい、

6弦ギターが弾けなくなられたそうです。

 

抱腹絶倒ライブなんですよねえ。

ソロの部もいいですけど、

ふたりでああだこうだしゃべりながら空気を弛緩させて、

歌と演奏でぐっと引き締まるという感じ。

クリさんのオートハープはケンさんのバンジョーが入って、

リズムのエッジが立って聴こえます。

 

おふたりの笑いの種類が少し違っていて、

クリさんのは皮肉な状況、理不尽な状況を、

こそっと笑うタイプ、

ケンさんは与太郎話的というか、

ほら吹きタイプというか。

で、このふたりが会話をすると、

相乗効果なのか化学変化なのか、

絶妙におかしいんです。

音楽もアンサンブルとコーラスになることで、

ぼくがより一層近づけるものになる気がします。

(ぼくはお客さんのなかでいちばん音楽知識がない

 と思うので、けっこうアウェイ感があります)

 

ふたりで最後にうたわれたのが、

フォークユニット「やぎたこ」さんの

柳さんがつくられた歌です。

 

いつだって分かれ道は目の前にある

生きてゆくってそういうことだろ

旅という暮らしのなかで

暮らしという旅のなかで

 

この歌詞、とっても胸にしみました。

思えば前回は2022年2月13日。

柳さんが体調不良で来られなかったため、

ケンさんが急きょ代演で出られて、

それからまもなく柳さんの訃報がありました。

 

こんなライブ、いつまでも聴けると思ったらいけませんよね。

音楽のルーツについての広くて深い知識も、

卓越した演奏技術も味のある歌も、

やがては消えていって、

ぼくがICレコーダーで録った音源も、

なんやこれって息子が捨てたりするんだろうなと想像して、

せつない気持ちになります。

うめはらなかせだって同じです。

ただただそのひと時の幸福を味わうのみです。