運転免許証を落としました。
たぶん落としたんでしょ。ないんやから。
入れていた名刺入れにはPITAPAも入っていて
立ちより先や阪急にも連絡したけど結局なくて、警察に届けを出すことに
しました。
まず警察署に電話して、落としたことを伝えると
若い警察官が電話口で言いました。
「お母さんの名前を教えてください」
お母さんて、お巡りさんが人の事をお母さんて言う?
年齢も言うてへんのに。
東寺でするめ売ったはるおっちゃんに言われて以来。
母の名前を言うたらよかったわ。
後でおもいついても、もう遅い。
その時は、とにかく手続きをしなくっちゃと、ぐっとこらえて
名を名乗たのでありました。
「この電話では遺失物の手続きができないので、
最寄りの交番か警察署に行って、改めて手続きしてください。
最寄りの交番に連絡します」
「さよか」と半ばなげやりになるけど、そんなことは言うてられへん。
交番へ。
そこには若い、これまた孫に近い
新米のおまわりんさんが待機していてくれて。
「ネットで手続きをするから時間がかかるので
ここで座って待ってくださいね」と
くたびれたパイプ椅子をすすめてくれはって、
お巡りさんは奥のデスクトップの前に座って作業開始。
「PTAPAでした?SUICAでした?」
「PITAPAです」さっき言うたやんて言葉を呑んで
「緑のチェックの名刺いれ、布地です」
て言うてんのに、上がってきた書類には
緑のビニールて書いてある。
「ビニールじゃないです。布地て言いました」と言うと
「緑のビニールのあれじゃないんですか?」って
ああ、免許証をとった時に勧められたあれ、
交通安全協会のと勘違いしはったんやな。
だれでも間違いはある。
しばらくして、持ってきはった書類には今度は「皮革」て書いてあるし。
ここ「布です」と指摘すると
「あれ、すみません直してきます」
もう、ちんたらちんたら。
とそこへ、新米さんよりちょっとだけベテランそうなお巡りさんがバイクでやってきて、
訂正する時は、とのんびり優しい指導が入ってね。
免許証を失くしたこっちの気持ちが吹っ飛んでしまう、ほのぼの感。
交番についてかれこれ30分
ま、しゃーない。自分が落としたんやし。
でも、やっぱり「お母さんはないわ」と思う自転車の帰り道。
車は乗れへんやん。免許証不携帯で罰金とられるもん。