またまたまた映画「ボヘミアン・ラプソディ」
で思い出しました。
なかせさんも書いてましたけど、フレディのセリフ、
「これだけ大勢が聴いているんだからキーは絶対はずせない」
って言葉は驚きでした。
あんなに歌がうまい人でもキーをはずしそうになるってことですよね。
そのキーについて、いまから11年も前にこんな思い出があったんです。
NHKで平井堅、大塚愛、アンジェラ・アキの3人が
鼎談(ていだん)する番組がありました。
ソングライターとして、
3人のなかで一番のお気に入りは大塚愛なのですけれど、
正直、シンガーとしては一番格下だと思っていました。
ところが、平井堅が大塚に言うのです。
すごいピッチ(音程)いいし、
大事なとこピタッとすごい気持ちいいピッチでうたう
と。
あの平井堅にして、そこに注目していることに驚きました。
こんなになんの苦もなく難曲をうたうように思える人が、
音程という、まさに歌い手として
基本中の基本の問題に言及したのですから。
もしかすると、うまい歌手というのは
普通の人が1秒に感じるところを10秒にも30秒にも
引き伸ばしていると思えるくらい精密に
自分の音や喉の状態に
集中しているのかもしれないと思いましたね。
音程についても、わずかの狂いもないように
細心の注意を払っているのではないかと。
ヘリコプターの名パイロットが
風の変化に対してつねに小刻みに対応し続けて、
同じ場所でピタッとホバリングするように、
歌手も対応し続けているのかもしれませんね。
つまり気を抜けば、どんな歌巧者でも
音を外すということです。
果たして真相はどうなのでしょうか。
歌のプロに聞いてみたいです。