30年ほど前、中学受験の進学塾「日能研」が東京から
京都へ進出してきました。それが阪急桂駅の目の前
それまで中学受験と言えば、京都ではここって言われる塾があったんですが、
新聞広告も入っていて「息子さんもちょっと外の冷たい風にあたってきたら」
何て言われて、息子と一緒に入塾テストと説明会に行きました。
説明会の部屋は大きく100人は入れるかってとこだったのに、
参加者は7.8人しかいなくってね。
東京から来た幹部の人が、「これだけ!」てあきれはってね。
担当の人は叱られてはりました。
「お母さん、この偏差値で同志社にはいれるんですよ!」とか
「東京は会場が満杯になるんですよ。今、ちょっと頑張らしたら」とか
熱く語ってはったんです。
ガラガラのライブハウスみたいで、気の毒でした。
テストを受けて戻ってきた息子に聞くと
「算数は難しかったけど、国語は新見南吉やってんか、僕、続きが読みたい」
て言うたんをおぼえてるんです。
その本を買ってやったか、図書館で借りたかは忘れてしまったけど。
「僕はやめとくわ」で入塾はしませんでした。
塾代も高いし、ほっとしたんです。ほな、なぜ受けたって話ですけどね。
どんなとこなのか見てみたかったんです。
その後、夕方の阪急電車で日能研に通う子をみるようになりました。
楽しい塾って噂もききました。中学受験では実績も上げてはってね。
娘の友達も息子の友達も難関校に受からはりました。
その子たちは賢い子で、やっぱり素地がなくちゃと納得したもんです。
中学受験の問題が一問掲載されているんです。
社会や国語の問題は解ける時もあるけど、
算数は難しい。昨日の問題は理解することをあきらめました。
こんなの10歳やそこらでやってるんですね。
「子供も大変やなあ」と譲ってもらった優先座席で
思いました。
譲ってくれたのはイケメンのお兄さんでした。