新潮社、すごすぎてコピーが書けない
「すごい小説」を発売前に異例の全文公開
というネットニュースがありました。
「すごい小説」がタダで読めるというのですから、
早速読んでみました。
タイトルは『ルビンの壺が割れた』、
書簡体小説ってスタイルですね。
男女のメールのやりとりが続き、最後には驚くべき結末が!
いや~、面白かったです。
そうそう、ルビンの壺って、心理学で使われる、
向かい合った人の顔にも壺にも見える白黒の絵のことなんです。
で、そのなかに、モーツァルト作「音楽の冗談」
というのが出てきました。
ストーリーとは関係ないのですが、
面白いタイトルだったので、調べてみました。
下手な作曲家や演奏家を揶揄するために書かれた曲である。
当時巷に出回っていた「自称」作曲家や「にわか」音楽家の連中を皮肉るために、「音楽上の間違いだらけの曲」を作曲した、
ということらしいです。
この曲にどんな「冗談」が込められているか、ということについては、
例えば以下のようなものが挙げられます。
・4楽章のうち、大事なはずの第1楽章と第4楽章が演奏時間的に短く、全体のバランスがおかしい
・楽器編成上、必須ともいえるオーボエがなぜか使われていない
・全音階やホルンのトリル、複調などの現代では珍しくはないが当時としては「妙な」技法をつかっている
・テーマを展開するとか、転調を流暢に行うとかいったことがなく、音楽的な知性が感じられない
と紹介してあったので聴いてみました。
これです。
指摘された「間違い」って、なにひとつわかりませんでした。
「冗談」のわからないど素人ってことなんですねえ。
へ長調 K522とありますが、このあとのK525は、
あの有名な「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」なんです。
これ、うめなかで演奏してたやつ?
うめなか版K525はまったくもって間違いだらけでありますが……。
ちなみにKとは、ケッヘル番号といって、
ケッヘルという人がモーツアルトの作品目録を
つくったときにつけた番号なんですね。
モーツァルトの音楽作品を時系列的に配列した、
世界共通の認識番号なんですって。
知ってる方には有名な話でしょうが、ぼくは初めて知りました。