うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

2023年の中村楼事件

先週金曜日、父の33回忌法要を行いました。

それまで晴天続きだったのに、

この日だけ前日から翌朝10時過ぎまで雨。

晴れ男じゃないなあ。

 

アフターの食事会を、

足洗い

と呼ぶのは京都だけなんでしょうか。

悪事・悪行をやめることを

「足を洗う」なんて言いますけれど、

似た表現で「忌を払う」って意味かしら。

 

ともあれ、一昨日の足洗いは

八坂神社の表参道にある、

二軒茶屋  中村楼

で行いました。

室町時代の創業で、伊藤博文渋沢栄一

ロシアの皇帝ニコライ2世訪れた料亭だそうです。

もともとは文字通り二軒の茶屋があったのが、

いつしか中村楼だけになったということです。

歴史上の有名人と比べるべくもないですけど、

ぼくの叔母の結婚披露宴がここで催されました。

庭に面した畳敷きの大広間を覚えています。

その後、何度も家族で食事に行ったと姉たちは言うのですが、

ぼくはまったく覚えていません。

かなり幼い頃の出来事だったのでしょう。

 

その中村楼がいつの間にかモダンに生まれ変わっていました。

開口の広い窓から、さほど広くはない中庭が望めます。

 

食べログ調に紹介しますと、

いただいたのはいちばん裾のランクで、

「昼の懐石」という7700円のコース。

茶碗蒸し(蟹あんかけ+菊芋唐揚げ)の先付けに始まって、

吸い物は曇子(くもこ)豆腐、造りは鰆(さわら)の焼き霜。

霜ってのは奇妙な塩を従えてたからでしょうか。

ちり酢と塩とでいただきます。

ラディッシュがいいアクセントでした。

八寸は鯖小袖寿司、焼き栗など秋らしさ満開で、

小鍋は京都らしく海老芋と京人参に

ブロッコリーという意外な組み合わせが

グラタン風の白みそ仕立てでホクホク。

止め碗というのが栗ご飯と香の物。

緑色のお漬物はなんとかの自家製糠漬け。

これで十分満足でした。

まだ30代という若い料理長のつくる料理は、

和食らしく秋の素材の良さを引き出しつつ、

洋のアイデアも融合させて、

この味は初めてかも

と楽しませてくれました。

どれもおいしかったです。

なにより参加者が喜んでくれたのは施主としてうれしいことです。

最後に出た抹茶と、さつまいものあんのきんつばもGood!

 

実は前日に予約を確認しようと電話したのですが、

何度かけても留守番電話になっていて不安でした。

中村楼関連でニュースはないかとネットで調べたら、

中村楼事件

というワードがまっさきに出てきて、

へーーーと思いました。

 

龍馬が暗殺されるその日に履いていた下駄が

中村屋(中村楼の前の屋号)のものだったとか、

あるいは、龍馬の刺客の遺留品の下駄のひとつが

中村屋のものだったとか。

そういう無関係な情報が先に出てきて、

肝心の「中村楼事件」は明治期の話でした。

相撲興行の世界でもめ事があって、

ストライキした力士が中村楼に立てこもった

ということのようです。

 

しかし、2023年11月17日は、

無事に法事が終わり、

足洗いの場でもなんら不手際はなく、

第二の中村楼事件が起こることはありませんでした。