うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

「3びきのくま」

この曲がうめはらさんから送られてきたとき、

なかせは妙に闘争心をかりたてられました。

 

いったいどないなってんねん。

うめはらさんの好きな転調の不思議に挑戦したくなったんです。

 

随分時間をかけて採譜をして、紐解けたときは嬉しかったです。


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うめはらさんから送られてきたのはギター伴奏のもの。

転調された小節はギターの単音のハモ。

それに合わせて歌うのは本当にほねが折れました。

 

ライブの時は、頭の中に楽譜を書いて指で辿りながら歌ったんです。

 

ライブの後、友人達は、この曲に興味を持ってくれました。

 

不思議な世界に包まれた気分になったそうです。

 

この曲、大貫妙子坂本龍一のインストに歌詞をつけたものだそうで

 

以下、坂本龍一Facebookより掲載させていただきました。

 

>アーカイヴ(2010年)
「3びきのくま」について
この曲のもとになったのは、08年にぼくがシングルとして発表した「KOKO」というインストゥルメンタル曲です。その曲に、今回、大貫さんが歌詞をつけて「歌」にしてくれました。そういう意味でも、この『UTAU』というアルバムを象徴する曲のひとつかもしれません。ぼく自身も、ぼくの「KOKO」というインスト作品に「3びきのくま」という詞がついて、言葉の世界が曲に展開されたときはすごく驚きました。大貫さんがぼくのインスト曲からこのようなインスピレーションを受け取っていたのかと初めてわかった。人によって音楽に対して受け取るインスピレーションがちがうのだなということが、あらためてわかったんです。ぼくがまったく想像しえなかった言葉〜詞の世界が拡がっていて、驚きながらレコーディングしました。(坂本龍一
 
これは09年に日本郵政の年賀状のCMで使われた坂本さんのインスト曲がもとになっています。そのときのタイトルは「KOKO」。「此処」と「心」といろいろ意味のあるタイトルだそうです。その曲に、今回、私が歌詞をつけて歌わせていただいています。あるメロディに歌詞をつけるということは、100の可能性のひとつを選択することです。100パターンの歌詞が書けるかもしれないのに、ひとつだけ選んで99のパターンを捨ててしまう。もちろん実際には100のパターンを考えはしませんが、それでもどういう歌詞を乗せるべきかということは常に考えます。そのために曲は何度も聴きます。何度も何度も聴いているうちにそのメロディが呼んでいる言葉や、いまの時代、聴いてくださる方の気持ちといったものがひとつの方向となって指し示されて歌詞ができていく。原曲の「KOKO」につけた歌詞は「3びきのくま」というタイトルです。
ちょっと変わったタイトルですが、「3びきのくま」というのはゴルディロックスという女の子が出てくるイギリスの童話です。ある家にくまが3びき住んでいて、ゴルディロックスちゃんはお散歩しているうちにその家に辿り着く。そしてテーブルの上にスープのお皿が3つあるのを見つけます。最初の皿のスープは熱すぎて飲めない、次の皿は冷めてて飲めない、しかし最後の皿のスープは適温だったので飲んでしまう。この調子で、3つの椅子のうち、高すぎる、低すぎる、調度いいという具合に。そこから転じて「ちょうどいい場所」というたとえに「ゴルディロックス・ゾーン」という言葉が使われるようになりました。この宇宙で(人類にとって)熱すぎず、寒すぎず、最適なゾーンをたとえるときに使われる言葉にもなっています。ということで、この「3びきのくま」のテーマは宇宙なんです。ちょうど「はやぶさ」が宇宙をさまよった末に無事に地球に帰還した頃で、私も非常に感動してそのニュースを見ていました。「あきらめない気持ち」「どんなにはなれていても届く気持ち」「失ってわかるものの大切さ」などを歌にしてみたいという気持ちがあって書いた歌詞でもあります。

 

二人のアーティスト

こんな人達こそ、アーティストですね。