うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

ご先祖様がスマホ脳をつくった?

今朝は久しぶりに涼しいですね。

ありがたいです。

 

2021年に1番売れた本

と帯にありました。

スマホに依存しすぎるとどんな弊害があるのか、

という話だと思って読んだんですけど、

もちろんそれもありました。

でも、面白かったのは、人類がどうやっていままで

生存競争を生き残ってきたのかという、そこですね。

たとえば、こんな内容です。

人間の命を奪ってきたのは癌や心臓発作ではない。

地球上に現れてから99.9%の時間、飢餓や殺人、

干ばつや感染症で死んできたのだ。
つまり、人間の身体や脳は、

癌や心臓発作から身を守るようにはできていない。

人間の身体は、大勢が感染症で亡くなるという現実に基づいて進化した。

例えば素晴らしい免疫システムを発達させたのもそのひとつだ。

 

あきさみよー

でも、それってスマホとどう関係が?

と思って読んでいくと、こう続きます。

それに、感染を回避する行動も身につけた。

相手を見ただけで病気だと察知する能力も、そのひとつだ。

さらには、感染した人の情報を欲する衝動も持っている。

だから、ニュース速報を見るのをやめられない。

 

なんでみんなスマホに頼ってしまうかという話を、

人類誕生以来の生存競争に結びつけて解説するのですね。

こりゃ、かなわんわいと思ってしまいます。

そんな太古から身についた本能なんだったら、

いまさら変えようもないな、と。

 

それプラス、人間をスマホ中毒にする

大仕掛けな仕組みがあるのだと著者は明かします。

ポケットからスマホを取り出すたびに、

自分の意思で取り出したと思っているならそれは大間違いだ。

フェイスブックやスナップチャット、インスタグラムを運営する企業は、

私たちの脳の報酬系をハツキングすることに成功したのだ。

 

「脳の報酬系をハッキング」って、

でーじかっこいい表現だなあ。

人間の脳には、 欲求が満たされたときや、

満たされるとわかったときに活性化して、

気持ちよさとか、幸福感などを引き起こすシステムがあるんですね。

で、そのシステムをGAFAが操っているということです。

え? そんなのどうやって? と思いますよね。

 

フェイスブックやインスタグラムは、

親指マークやハートマークがつくのを保留することがある。

そうやって、私たちの報酬系が最高潮に煽られる瞬間を待つのだ。

刺激を少しずつ分散することで、

デジタルなごほうびへの期待値を最大限にもできる。

このような企業の多くは、行動科学や脳科学の専門家を雇っている。

そのアプリが極力効果的に脳の報酬システムを直撃し、

最大限の依存性を実現するためにだ。

 

いいね!

って、だれかが「いいね!」ボタンを押したときにつく

と思っていたら、そうじゃないんですって。

どういう計算式(アルゴリズム?)になってるかはわからないけど、

じりじりと待たせて、ここぞというときにドンと来て、

報われた感が最高潮に達するように、

そしてそれが次への期待を高めるように、

うまくコントロールされてるんですね。

なんか実験動物にされてる気分です。

 

実はぼくの場合、スマホ中毒ってことはまったくなくて、

まる一日スマホの電源を入れてないこともあります。

(仕事先に迷惑かけてます)

だから夜中に目が覚めて眠れない時間があっても

スマホを手に取ることはありません。

ただ、あれやこれや考えてしまって、

(ほとんどが考えても詮ないことなんだけど)

それで眠気が飛んでしまうんですよね。

そういうときは不思議に、

うれしくてワクワクすることじゃなくて、

気分が落ち込んだり、不安になるようなことを考えてしまいます。

だけど、こんな記述がありました。

 

人類の歴史の中で、

負の感情は脅威に結びつくことが多かった。

そして脅威には即座に対処しなければいけない。

食べたり飲んだり、

眠ったり交尾したりは先延ばしにできるが、

脅威への対処は先延ばしにできない。

強いストレスや心配事があると、

それ以外のことを考えられなくなるのはこれが原因だ。

私たちの祖先は、明るい希望よりも

脅威の方がはるかに多い環境に生きていた。

 

あきさみよー!

ぼくってそもそもが先のことを考えずに行動する人間で、

あっけらかんと後悔もせず生きてきたつもりなんですけど、

意外にもストレスや心配事があるのかも……。

 

こんなふうに著者は言います。

ちょっとホッとしました。

不安や気分の落ち込みは人生において自然なことであって、

それが私たちが生き延びるのを助けてきた。

 

不安や落ち込みは生きるために大切な感情だったんです。

ひきこもりの人もその家族もここが気になるところかも。

強いストレスを感じるということはつまり、危険がそこら中にある。

脳はそう解釈する。

だから、頭から毛布をかぶって隠れていろ、と脳が命令するのだ。

そのとき脳がどんな手段で私たちを動かすのかというと、

もちろん「感情」だ。

脳は私たちの「気分」を使って、

危険いっぱいの環境から私たちを遠ざけようとする。

ひどく気分を落ち込ませることで、引きこもらせるのだ。

 

ひきこもりは防衛手段だったのですか。

ほんとに面白い解釈です。

 

脳は直接的に命令するんじゃなくて、

「感情」を通じてぼくらをコントロールしてるなんてねえ。

だとすると自分のなかに湧きおこった感情って、

なにかの生存本能から? と疑ってみたくなります。

なかせさんが「天使のハンマー」がいやって気分は、

どういう生存本能から来てるんでしょねえ。