風水害は増えてるし、感染者数もまた増えてるし、
戦争は終わらないし……
世の中、昔より悪いほうに向かっていると考える人が、
とくに先進国(死語?)に多いそうです。
この本、「ファクトフルネス」といいます。
世界で300万部の大ベストセラー!
3年くらい前にヒットしたのを、ようやく読みました。
fullness ; 満ちること; いっぱい,十分,たっぷり
ファクト(データや事実)にもとづき、
世界を読み解く習慣をつけようと提言しています。
冒頭に13個の質問が載っていました。
たとえばこんなの。
質問 自然災害で毎年亡くなる人の数は、
過去100年でどう変化したでしょう?
A 2倍以上になった
B あまり変わっていない
C 半分以下になった
気候変動で異常気象が増えて、
それにともなって自然災害も増えてるからと思ったら、
違ってました。
正解はCの「半分以下になった」です。
大半の人は正解率が3分の1以下で、
しかも、専門家、学歴が高い人、
社会的な地位がある人ほど正解率が低い。
とのことです。
ぼくらは世の中悪くなる一方と思い込んでるようです。
なんでそうなるかというと、
○○航空の飛行機が今日無事に着陸しました
なんてニュースはないでしょ?
稀有で悲惨な事故ほどメディアはセンセーショナルに取り上げ、
うまくいってる大半のことは報道されないから
と著者は言います。
ぼくが興味を惹かれたデータはこれ。
文化や自由の度合いを数字で表すのは難しいけれど、
「ひとりあたりのギターの本数」の変化を見れば、
「音楽を楽しむ自由」の変化が見えてくるかもしれない
と著者は言います。
つまり、これだけギターの数が増えてるってことは、
音楽を楽しむ余裕のある人が増えているってことなんですね。
ギターの数と世界中の人々の幸せは正比例してるってことで、
ギター好きを明るい気持ちにさせてくれました。
人間、捨てたもんじゃないです。
ちょっとずつでもいい方向に進んでいます。
そのことを、悲惨なニュースを目にするたびに、
思い出したいものです。