志村けんが亡くなって、追悼番組がいくつも放送されました。
そのひとつ「さんまのまんま」では、
志村けんもさんまもタバコをスパスパ吸いながら話していました。
2008年の収録です。
そうかあ、21世紀に入ってからも喫煙シーンは
NGじゃなかったんやと妙に感心しました。
だけど、これを見て不快に感じる人もいるんでしょうね。
過去に問題とされなくても現在の価値観・倫理観に照らして
だめじゃないかと主張するケースが世界で増えているようです。
Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)
黒人の命の問題って訳すんでしょうか。
dark matter(ダークマター:暗黒物質)を思い出す言葉です。
あのミネアポリス市で白人警官が黒人男性を窒息死させた事件は、
ほんとうに信じがたい話です。
そういう差別への怒りがいま白人中心史観への批判となって、
欧米で吹き荒れているのですね。
「ペニー・レイン」が問題視されているそうです。
この通りは18世紀の奴隷船オーナー、ジェームズ・レインにちなんで
名付けられたという説があるからだそうです。
映画史上に残る名作といわれた「風と共に去りぬ」が
ストリーミングサービス「HBO Max」の配信ラインナップから
削除されたことも話題になりました。
この映画は南北戦争前の南部を美化し、奴隷制度の残酷さを無視するもの
と指摘されて削除されたとか。
この映画が製作された当時は人種差別への問題意識が、
それほど表面化していなかったのだという理解をしたうえで
鑑賞するというのではだめなんでしょうか。
と思っていたら、「HBO Max」ではアフリカ系の映画評論家が
問題点を指摘した約4分半の解説動画を本編開始前に付けたうえで、
当時製作されたままのかたちで再び配信されたそうです。
黒人女優として初のオスカー受賞者となった奴隷役(子守女?)の女性は、
授賞式で共演者と同じテーブルに座ることを許されなかったそうですが、
もし生きていたら、どんな感想を抱くのか聞いてみたい気がします。
詳しくはこちら――
いろんな過去の遺物がブラック・ライブズ・マターと共に去ったとしても、
ビートルズの「ペニー・レイン」は残るし、
吉田拓郎の「ペニーレーンでバーボン」が残り続けることも
また間違いないことでしょう。