モノは買ったらいつまでも新品のまま
みたいに、きれいに使いたいって思います。
だからレコードのジャケットとか歌詞カードに
書き込みなんて絶対しませんでした。
仕事で買った資料用の古本にだって
アンダーラインとか引けないたちですもんねえ。
ところが、世の中にはぼくと真逆の人がいるんですねえ。
モノにすぐ落書きとかしちゃう人。
ぼくにしたら、そんなの値打ちを減ずる行為でしかないのですが、
これを「美品より価値がある」と尊ぶ人がいるそうです。
東京の中古レコード店で、
あなたの知らない「汚(お)レコード」の世界展
ってのが開かれてたそうで、
落書き入りのレコードだけを展示販売するんだそうです。
舟木一夫の「日曜日には赤い薔薇」だと、
歌詞カードの「君」はすべて「舟木さん」に書き換えるとか。
これ、なんとなく女性特有のファン心理でありそうな気がします。
期間中の来店客が通常の3倍になったとか。
どこのだれだか知らない人とモノとの関係を、
「面白い!」として愛でる、
そういう価値観が出てきたってことですね。
これはコレクター文化の深化っちゅうことですかなあ。
この店では面白い落書きのあるものは高値で買い取るそうです。
なかせさんなんか、ぼくとは逆で、
こういうイタズラ書きいっぱいしてそうだから、
自分のLPレコード、調べてみはったらどうでしょう。