うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

平安朝のシンデレラ

シンデレラのような物語が、

日本にもあったのですね。

1000年前から伝わる「落窪物語」を

田辺聖子がとっても読みやすく現代訳したのがこれ。

おちくぼ姫

高貴な生まれにもかかわらず、意地わるな継母に

縫い物ばかりさせられている貴族の姫君。

落ちくぼんだ部屋にひとりぼっちで暮らす彼女は、

邸の者からも「おちくぼ」と呼ばれていた……。

そんなある日、都でも評判の貴公子が

姫君の噂を聞きつけて求婚を!

熱心な貴公子に姫君の心も動かされるものの、

さまざまな問題か立ちはだかる。

はたして二人の恋の行方は……? 

若い読者のために現代訳された、

田辺流「王朝版シンデレラ」!

 

展開が速くてあっという間に読めました。

「まま子いじめ」される主人公が、

高貴なイケメンの純愛を勝ち取るってところは、

シンデレラ物語といっしょ。

主人公は気が優しくて働き者、

実は高貴な生まれで、美しい

っていう三拍子も四拍子もそろった娘なんですよねえ。

これじゃあ、条件が恵まれすぎてて

やっかみもわいてくるってもんですが、

それでも人気だから読まれ続けてきたんですね。

 

ところが、最近はシンデレラじゃなくて、

「悪役令嬢」が人気を集めてるんですって。

「悪女もの」の変形みたいなことでしょうか。

ファムファタール(運命の女)ってやつ。

悪役令嬢ものの主人公は、

シンデレラの義姉のような立場で、

シンデレラ的存在のヒロインと争ったり、

悪役ゆえの悲惨な未来にあらがったりするんだそうです。

 

朝日新聞の記事によると、

タイトルに「悪役令嬢」と付く小説は2012年は0点、

13年も1点だけだったのが、19年は55点、

22年は108点と急増した。

漫画化、アニメ化作品も数多く、

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」

年内には映画公開も予定される。

そうです。

悪役令嬢もの、まったく知らなかったですねえ。

悪役令嬢に見えて実は、

という登場人物はよくありますが。

 

ただ、シンデレラ人気は根強いと思うんです。

というより田辺聖子人気かなあ。

この「おちくぼ姫」、

平成2年5月25日 初版発行
平成3年7月25日66版発行

1年ちょいで66刷ってすごくないですか。