こないだのライブの録音を聴いて、
テンポが遅いと、なかせさんが言うんです。
ぼくはまだ聴いてないんですが、
年を取ってくると、なんでもテンポが遅くなるんでしょうねえ。
旧聞になりますが、10月の朝日新聞に、
ロシアのオーケストラ「ムジカエテルナ」が、
聴衆の固定観念を覆す挑発的なで世界的な注目を集めている
という記事がありました。
以下、青字は引用です。
「 」内の赤字はオーケストラの創設者で、
ギリシャ出身の指揮者、テオドール・クルレンツィス(46歳)の言葉です。
当時使われたバルブのないナチュラルホルンやガット弦の弦楽器を使い、
チェロ以外の全員が立ったまま超絶のスピード感で疾走する。
立ったままなのはより動きやすく
力強い演奏ができるからなんだそうです。
ちなみに、テオドールは指揮するエネルギーが大きすぎて
折れてしまうので、指揮棒も使わないとか。
さすが手踊~る。
んで、超速テンポはテオドールが自己流で勝手に
速めているわけではないんですって。
聞き慣れたものと異なる超速のテンポは、
実は楽譜の指示通りだという。
「ロマン派以降、作曲時より、約2倍遅く演奏されてきた。
自分が知っていると信じている遺跡(曲)の思いから
少し離れてみることが大事です」
ほんまか~~~と驚きますよね。
レコードとかない時代のことで証拠はないけど、
実際はどうだったんでしょうか。
第5番「運命」の有名な冒頭を、団員にこう伝えた。
「大きな岩のある神秘的な場所。
洞窟の入り口で古代に刻まれた四つ音符を見つける……。
この暗号を正しく押せばドアは開く。
パパパパ! 四つの音符には、この交響曲のすべてがある」
クラシック音楽を遺跡にたとえるんですね。
「(パルテノン)神殿は創建時、白色ではなく金赤青の極彩色。
パリのノートルダム寺院は(排ガスで汚れた)黒ではなく白だった」
と語ったそうです。
たしかに仏像とか昔はもっと華やかに彩色されてたんだし、
最初から地味~~な色あせたものじゃなかったでしょう。
でもなんでか彩色された仏像に、
日本人は違和感を覚えるんですよねえ。
音楽には古典も現代ポップスも差がなくて、
「すべての音楽は現代音楽であり、
だからこそわれわれは今、演奏しているのです」
ということです。
専門家はこんな評をしているそうです。
演奏の魅力は、猛スピードの疾走と糸を引くようななめらかさの両極端。
音楽というものが超越的な世界とのやり取りだと信じている人による演奏だとみる。
テンポなどが厳密に楽譜に忠実かどうかは断言できないが、
地の果てまでも行って聴きたいと思わせる力は類例がないと指摘する。
う~~ん、そんな演奏なら聴いてみたい!
来年、東京で3回、大阪で1回、公演するそうです。
多分、完売?
YouTubeで探してみた演奏はどれも、
そんなに速いの? と思えました。
超速って単に言葉の綾?