うめはらなかせは次々と新しい曲に挑戦しています。
拙速を旨として、出来が悪かろうと早くやりたい。
というのがぼくの性格で、うめなかのなかのいわば革新派です。
皆さん、あのミッドウェー海戦を覚えてられますか。
敵空母を発見したとき、日本海軍の艦載機は
陸用爆弾しか装着していませんでした。
相手は艦船なんだから魚雷を積むべしと
狭い艦内で換装作業をしているさなかに
敵空母機から攻撃を受け、
日本海軍は虎の子の空母4隻を失ってしまったのです。
座してやられるのを待つくらいなら陸用爆弾のまま発進させて
効果は不完全としても敵の攻撃力を削いだほうがよかったでしょう。
この歴史から学ばねばなりません。
これに対して、もうちょっと練習してから発表したい
というのがなかせさんで、こちらは保守派ですかね。
そもそも日米開戦に先立つ日独伊三国同盟の締結が拙速だったわけで、
やはりこの歴史からも学ばねばなりません。
というわけで、うめなかでは
新しい曲をやりたいうめはらと
いつまでも自信のないなかせの間で、
つねに保革対決が起こっています。
練習中は、これ早くやりたい、まだ早い、の応酬で、
険悪な雰囲気になることもあります。
たったふたりのバンド内にも「政治」はあるもので、
この曲を入れるから、じゃあ、この曲は受け入れるしかないか、
という計算(打算)もあります。
とりわけなかせさんはしぶといネゴシエーターで、
一旦取り下げたと思った要求が、
次にまたしれっと入ってくることも多く、まったく油断できません。
こうして妥協に妥協を重ねた結果が、
うめなかのセットリストとなるのです。
次になにが飛び出してくるかわからんのが
うめなかライブのおもろいとこやな
と言っていただける、その陰に実は因縁の保革対決があるのです。