うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

G線弾きのパガニーニ

先日、五嶋龍のことを書いたのですが、

たしか「サワコの朝」に登場するときに

パガニーニの曲を演奏したと思うのです。

これって、なんてシンクロニシティなんでしょう。

 

実はその数日前にゲオのレンタルで借りた、

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

って映画を観たところだったんです。

 

パガニーニって名前くらいは聞いたことがあるのですけれど、

どこの何者かまったく知らずに予告編だけ見て、

それでDVDレンタル50円セールに惹かれてクリックしたってわけです。


映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』7.11公開

 

これ、映画としては60点くらいかなあ。

なんせぼくは破滅型の人って見てるとハラハラして、

ついていけないし、共感できないんですよねえ。

 

主役の俳優、見たことないなあと思ったら、

本物のヴァイオリニストでした。

映画評にこんな紹介があります。

 

 観客をぐいぐいと惹きつけるストーリーをさらに膨らませているのが、

 それに絡まる見事な音楽。

 それは、パガニーニを演ずるのがスーパーヴァイオリニスト、

 デイヴィッド・ギャレットだからだろう。

 8歳ですでに国際的なオーケストラと共演し、

 クラシックのみならずロックとのクロスオーヴァーなどにも挑む彼の演奏は、

 まさに超絶技巧。

 

当然、この21世紀の現役スーパーヴァイオリニスト」については、

ぼくはなにも知りませんでした。

もうちょっと甘いマスクだといいのになあとは思ったけど。

 

でも、パガニーニが生きた19世紀のヨーロッパの風俗や

音楽界の様子が描かれていて、それが物珍しくて見入ってしまいました。

 

パガニーニのマネージャーは、ロンドン公演で泊まるホテルを

ワンフロアまるごと借り切るのですが、

それは隣の部屋の壁に耳をくっつけて、

聴こえた演奏を譜面に起こして販売するやからがいるからなんですって。

聴いてすぐに譜面に起こせるってすごい才能ですよね(そこかい)

著作権が確立されていない当時は、作曲家も

自作曲を守るために必死だったようです。

 

一番印象的だったのはロンドンのパブにお忍びで入ったパガニーニが、

店内で演奏してたフィドラーのヴァイオリンを借りて、

フォークミュージック(?)を自分流に弾くところ。

これぞ超絶技巧というのでしょうか。

弦が切れてG線だけになったっちゅうのに、

きゅるきゅるきゅる~~~って弾きまくるんです。

この映画での圧巻のシーンかなあ。

 

実際のパガニーニもこんな長髪だったんでしょうかねえ。

長髪とヴァイオリンというとサム・ブッシュを思い出します。

大昔、いっしょにバンドを組んでいた

N君一押しのブルーグラスミュージシャンがサム・ブッシュでした。

フィドルとフラットマンドリンを弾きます。

(N君、いまどうしてるのかしら)

 

ちなみにウィキペディアには、こんなふうに書いてありました。

 

 パガニーニは作曲家としても活躍しヴァイオリン曲を残したが、

 極めて速いパッセージのダブルストップ・左手のピチカート・

 フラジョレット奏法など、

 どれも高度な技術を必要とする難曲として知られている。

 このようにパガニーニ自身が楽譜を一切外に公開しなかったことに加えて、

 死の直前に楽譜をほとんど焼却処分してしまった上、

 彼の死後に残っていた楽譜も遺族がほぼ売却したため楽譜が散逸してしまい、

 大部分の作品は廃絶してしまった。

 

じゃんねん! 譜面が残ってパガニーニ(たらいいのに)……なあ。