うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

リ・イン・カーネーション

昨年からずっとNHKのBSで、

カーネーション」の再放送を見てまして、

朝ドラ史上、最高傑作だと感心しつつ楽しんでます。

 

カーネーション」って「おしん」の次に

世界中で観られてる朝ドラなんですってね。

こんなにもワクワクさせられて、笑わされて、

考えさせられるドラマ、

外国の人にはどんなふうに見られてるんでしょ。

 

いまはちょうど主人公の糸子(尾野真千子)が、

洋裁職人の周防さん(綾野剛)と恋に落ちてくあたりで、

ほっしゃん。星田英利)演じる北村が

フラれてしまうんですけど、

現実には尾野真千子ほっしゃん。とが

そういうことになるわけで、

そら、ふたりの息の合いっぷりには、

(とくに罵り合いの場面)

見てる人が置いてけぼりを食うみたいな、

だれも入り込めないくらいの親密さを感じます。

(それこそ後知恵ですけど)

 

このドラマ、見るのは3度目か4度目です。

何度も見てて改めて思うのは、

戦争が国民に及ぼす影響を

しっかり描いているということです。

夫や兄弟、息子、使用人が戦地へ応召されて、

周囲から歯が欠けるようにして消えていって、

返ってくるのは一片の戦死公報だけ。

とりわけ戦争神経症を患った幼なじみの勘助と

その母親のエピソードは強烈でした。

二度と戦争ごめんや金輪際あかん

と多くの日本人が骨の髄まで思い知らされた、

その理由が理解できます。

 

ちょうど去年の暮れ、BSスペシャルで、
破綻の航跡 “暁の宇品” 陸軍船舶部隊の戦争

というドキュメンタリーをやってまして、

この番組はうめなか日記でも紹介した

ノンフィクション作品がベースになっています。

2023年にぼくが読んだなかで、

(2024年は名作にあたらなかった)

清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」

と同列でベストの本でした。

その「暁の宇品」の著者、堀川惠子が番組に出演してました。

(とっても聡明そうな美人)

 

この人が言うんですね。

日本は海に囲まれた資源のない国、

食糧自給ができない国、

命の糧のすべてを海の向こうに頼る国だから、

日本は絶対、

戦争してはいけない国、

戦争できない国、

たとえ戦争しても敗ける国

と語っていたのが印象的でした。

 

尾野真千子をはじめ俳優陣の演技は言うまでもないです。

小林薫、庄司照枝、麻生祐未栗山千明甲本雅裕

いま出てる近藤正臣もええなあ。

子役がまたすごい。

黒谷友香まで上等な俳優さんに見えます。

いい脚本があると役者はいい仕事をするんですね。

 

もうひとつ感心するのが、音楽の素晴らしさです。

その場面に合った高揚感、悲しみ、おかしみ、さびしさ、

心の痛み……が音楽で見事に表現されています。

なのでCDを借りました。

カーネーション

オリジナル・サウンドトラック

名曲ぞろいなんです。

聴けば心に残る名場面がよみがえります。

作曲者の佐藤直紀という人は、

NHKの大河「龍馬伝」とか、

最近だと映画「ゴジラ-1.0」とか、

サントラ界のエースといわれる人だそうです。

耳になじんだあの短い曲にもちゃんと

タイトルがつけられてるんですね。

うめなかで演奏できたらいいなと思っています。

 

収録曲
1) やさしさ
2) はずむ心
3) からまる糸
4) 毎度おおきに!
5) 決意の朝
6) 葛藤
7) あっぱっぱ?
8) 涙
9) とどかぬ夢
10) だいじょうぶ、
11) ふたりの糸子のうた / 尾野真千子, 二宮星, 渡辺あや
12) ボビンのワルツ
13) ほんとはね…
14) 負けへんで!
15) それでも明日は来る
16) つのる想い
17) 胸さわぎ
18) まなざし
19) 家族の愛
20) あこがれ
21) 明日に向かって
22) カーネーション ~メインテーマ~
23) どこまでも
24) 夢への一歩
25) だんじりや!
26) かけちがい
27) アカンなぁ
28) 岸和田!
29) 事件勃発!

 

カーネーション」で思い出すのが、

リーインカーネーション」って映画。

1975年製作ですか。

インカーネーション(Reincarnation)とは――

死者の魂が別のものとして再び生まれ変わることなどを意味する語。

キリスト教におけるイエスの再来が語源とされている。

日本語で「輪廻転生」「永劫回帰」などと訳される。

 

ちなみにタイトルの「カーネーション」は、

プロデューサーの城谷厚司が、ヒロインの糸子について、

生まれた地に根を張って花を咲かせる植物のような人

であると思ったことから発想したということらしいです。

ドラマの最初のほうで花のカーネーション

出てきたと思うんですけど、

忘れてしまいました。

www.waseda.jp