今日は雨ですねえ。
いい天気が続いてたのに。
1、2日は暖房がほしいほど寒かったのに、
ここ数日は30度のところもあるそうで、
寒暖の差がこたえます。
連休中はどこにも行きませんでした。
いっぱいドラマを録画して見てまして、
なかには身につまされる名作もあります。
「ダメ男もの」は好きじゃないんですけど、
最後まで見てしまいました。
痛ぶる恋の、ようなもの
高圧的でかつ魔性の女の子に、
まるで蛇に睨まれた蛙のように魅入られてしまう、
やさしいだけが取り柄の男の子の物語。
魔性の女もの、運命の女もの、
ファム・ファタールもの、昔からあります。
いまだと「男を沼らせる」というんですね。
たしかに沼にはまって抜け出せない感じがあります。
主人公は映像制作を学ぶ大学生の根津晴(ねづはる)。
半同棲中の後輩、久我ユリのことは、
毎日ビデオカメラで撮ってたいくらい大好きです。
久我ユリは才能豊かで、
学生が制作するドラマに女優として出ても、
ハッとするほどの存在感を発揮します。
そんな彼女が浮気してるのを知って、
問いただすまではいいけれど、言葉尻をとられて、
なぜか最後には謝らせられてしまうくらい気弱で、
自信のない男の子です。
視聴者は久我ユリに巧みに操られる根津晴に、
やめとけ、やめとけ、そんな性悪女
ってツッコミたくなります。
また裏切られるに決まってるからってね。
そんな根津晴をはたで見ていた後輩女子、
臼井都が言います。
*都は根津晴のことが好きで、
根津晴を支配する久我ユリが許せません。
彼を久我ユリから引き離したいと思ってます。
久我ユリのこと、 破天荒で自由奔放でって、
私は思わないです。
自信なくて、 意志弱くて、
だから人の気惹くめなら何でもする。
許してくれる人のことは 傷つけていいと思ってるし、
てか傷つけたのにそばにいてくれたら、
そりゃ安心しますよね
精神安定剤にされてたんですよ、
根津晴さん、 優しいから。
都の説教にも根津晴は改心しません。
それからも久我ユリの浮気は何度か続き、
いきなり根津晴の前から姿を消します。
根津晴はさびしくてさびしくて。
久我ユリは携帯にも出ないし、完全無視。
根津晴はとことん落ち込みます。
その根津晴の心のすきをついて、
都は根津晴の奪取にかかります。
根津晴のアパートに押し掛けて、
前から言ってるように私は根津晴さんが好きです。
と言ったあと、
今日、抱いていいですか?
って迫るんです。
これ、女の子のセリフですよ。
いまの時代、こんなことになってるの?
「東京ラブストーリー」のリカの、
カンチ、セックスしよ!
を超えるくらい衝撃でした。
都の告白にわたわたする根津晴。
自分はもはや、だれをなんで好きなのか、
わからなくなっていた根津晴は、
(さびしかったのもあったでしょう)
なし崩し的に都と恋人関係に入っていきます。
(あくまで主体性がないです)
そして、しばらくたってからのこと。
アパートを出て一方的に連絡を絶った久我ユリから電話です。
久我ユリ 一応言っておくけど、 私、
晴くんが世界で一番面白いと思っているから。
メメしくて、ダサくて、イタくて、必死で、
私にいちばん感情をむき出しにしてくれた人。
作家としても 絶対おもしろくなる。
だからさ、晴くん、もし仮に会いたいって言ったら、
会いに来てくれる?
根津晴 ……
久我ユリ 来てよ 、晴くん、スペシャル根津晴使用券、ここで使うから。
根津晴 あああ、それ、とっくに切れてるみたいだよ。
久我ユリ そっか、 会いたかったなあ、また。
根津晴 むちゃくちゃ 会いたいよ。
でも、もう、いい。
久我ユリ あはははは、やっぱめっちゃおもろいわ、
根津晴? バイバイ!
こうして根津晴はようやく二人の関係に終止符を打ちます。
視聴者は、頼むから久我ユリとよりを戻すな
と念じて見ていますので、ほっとします。
都がいなければ絶対に元に戻ってたでしょうけどね。
ラストシーン、根津晴と都が仲良く道を歩いていて、
何気ない会話の中で根津晴は無意識に、
久我ユリの口癖だった言葉を使ってしまいます。
女の子はそういうのを絶対に聞き逃さないんですね。
「 もし仮にさ」という久我ユリ言葉を使った根津晴に、
都は言います。
都 はあ? 今のちょっと嫌だった。
根津晴 ああ……
都 謝ってください。
根津晴 ごめんなさい。
都 はい、許します。
いや~、ほんとによわっちぃ男の子です。
謝罪の言葉を引き出すまで許さない女の子は強い。
根津晴は、でもこれで、けっこう幸せなんだと思います。
支配される心地よさってありますから。
いろいろ身につまされるドラマでした。