姑は絵に描いたような良妻賢母でした。
何もかもきっちりしてて、紀州てまりの腕前は全国で優勝するぐらいでした。
漢文をひねったり、およそなかせには太刀打ちできない存在でした。
「かほりちゃんはダスイから」とよう言われました。
ダスイって紀州弁できっちりしてない、仕事が粗いみたいなね。
「そうですねん、お義母さんみたいにきっちりできひんし」
と笑いながら答えたもんでした。
嫌味やなくて、ほんとの事を言うてはるんですからね。
あの丁寧な家事や仕事は私にはできませんもん。
だけど、
「かほりちゃんは、トンチがきくから」
て褒めてくれはったりもしたんです。トンチてねえ、いにしえの言葉。
言われた40年まえでもそうでした。
そのお義母さんが、会話の中で
笠置シヅ子が好きで大阪まで観に行ったと
嬉しそうに言わはった時はびっくり仰天でした。
今なんかと違って何時間もかかりますやん。
下手をしたら一晩泊まってこなあかん事態にもなりかねへんし。
「買い物ブギ」とかケッコウ柄が悪いし、
いつも静かに暮らしたはるお義母さんからは想像がつきませんでした。
そんな若い時がお義母さんにもあったんやと、目から鱗の
忘れられないエピソードとなりました。
朝ドラの主役の趣里ちゃん
朝ドラ「ブギウギ」ヒロイン・趣里インタビュー 「笠置さんの明るいエネルギーを大切にしたい」 (msn.com)
京都人の密かなたのしみでは、京都弁を一生懸命しゃべったはって
その一生懸命なとこが、お芝居よりも目についてかわいそやったけど、
今回は大阪弁。脇を固める役者さんも芸達者な人ばかり。
がんばってね、期待してますえ。
お義母さん、生きてはったらきっと楽しんで観はったやろなあ。