うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

音楽のような泣き声

仕事に必要で読みました。

京大というジャングルで

ゴリラ学者が考えたこと

著者は、ゴリラの研究者で、元京大総長です。

大学教育の話が中心ですが、面白いのはやはりゴリラのこと。

ゴリラと比較して人間は、という例がいろいろ出てきます。

 

たとえば人間の赤ちゃんは生まれた直後から大きな 声で泣くけど、

ゴリラの赤ちゃんはおとなしいんですって。

ゴリラのお母さんは生後1年間、

赤ちゃんを腕の中で育てるので、

赤ちゃんが不安になったり気持ちが悪くなっても、

体を動かしたり、低い声を立てるだけで、

すぐに気づくことができます。

一方、人間の赤ちゃんは重いし、自力でつかまれないから、

お母さんは赤ちゃんを手から放して置くか、人の手に委ねます。

人間はゴリラと違って多産で、親だけで育てきれないので、

集団で子育てをしているのです。

赤ちゃんはお母さんから離れると大声で泣く。

こんな感じです。

vsq.co.jp

その赤ちゃんを泣きやまそうとして、

周囲がこぞってやさしい声を投げかけます。

これは現代も変わらない風景ですね。

 

その声をIDS (Infant Directed Speech=対幼児音声) と呼び、

ピッチが高く、変化の幅が広く、母音が長めに発音されて、

繰り返しが多いという世界共通の特徴がある。

赤ちゃんは、言葉で話しかけられても

その意味を理解することはなく、

声のピッチやトーンを聞いて安心するのだ。

そして、その声は習う必要はなく、

誰でも出すことができる生まれつきの能力である。

実際、この声の出し方を親から教わったことはないし、

学校で習ったこともないはずだ。
この赤ちゃんに対して発せられる声が、

音楽としておとなの間に普及することになった という説がある。

この音楽的な声によって、赤ちゃんとお母さんの間のように、

互いの境界を越えて一つになり、喜怒哀楽をともにするような

感情世界をつくり上げたのではないかと言われている。

 

そういえば赤ちゃんをあやす声って世界共通ですね。

赤ちゃんをあやすための声が、

やがて音楽に発展していったって話、面白いです。

 

桑田佳祐佐野元春世良公則、Char、野口五郎も、

赤ちゃんをあやすときは、きっと同じ声を出すのでしょう。


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