うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

お盆にまる見せりあん

最後の騎士マクシミリアン

権力と愛の物語

お盆に一気見しました。

下の予告編のタイトルバックだけ見ると、

重厚な歴史スペクタクルって感じがしないんですけど、

実は渋くて見ごたえありました。

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この歴史ドラマの舞台は15世紀のブルゴーニュ公国。

ブルゴーニュといえば飲みもしないのにワインを思い出します。

フランス東部に位置し、北のパリと南のリヨンを結んだ

直線上の約半分を占めるブルゴーニュ地方で作られるワイン。

そんなブルゴーニュ地方に加えて、ベルギー、

ルクセンブルク、オランダまで含んでいたのが、

このドラマの時代のブルゴーニュ(ドイツ語でブルグント)公国でした。

当時、ヨーロッパ一の繁栄を誇ったといいます。

 

ドラマのタイトルは「マクシミリアン」

――のちの神聖ローマ皇帝なんですが、

どちらかというと、その結婚相手となる、

ブルゴーニュ公国の公女マリーの比重多めで描かれています。

マリーは父王のシャルルが戦死してしまって、

後継ぎになるんですけど、若い娘なもんで、

フランスやブルゴーニュの商工業者に侮られ、

ひどい屈辱を受け、領土を侵され、王権に制限を課され、

あげくにフランス王子(10歳?)との結婚を迫られます。

 

一方、マクシミリアンはハプスブルク家の王子です。

上の予告編のタイトルバックよりイケメンです。

AIに描かせたら、こんなでした。

まったく似てません。

この頃のハプスブルク家は弱小国で、

ハンガリーに攻められ、マクシミリアンの妹(12歳?)を

50近いハンガリー王に嫁がせなければならないほど

軍事的、経済的に追い込まれています。

そんなハプスブルク家にとって唯一の希望が、

王子とブルゴーニュ公女の婚姻でした。

なにせ莫大な富と領土が手に入ります。

この結婚からあの有名な、

戦争は他の者に任せておくがいい

幸いなるかなオーストリア

汝は結婚すべし

という家訓が生まれたといいます。

ブルゴーニュも男性当主を得ることで権力が安定し、

商工業者への押さえが利き、フランスの干渉を排除できます。

もちろんそうはさせじとフランスや反対勢力が

次から次と妨害工作を仕掛けてきます。

なので、マリーとマクシミリアンが結ばれるまでが長いこと。

全6話のほとんどが結婚に至るまでの物語です。

王子暗殺未遂、公女への強制性交未遂事件、なんやかや。

陰謀、政略、内通、裏切り、

宮廷ドラマの定番、お床入りシーンもあります。

政略結婚ではあるけれど、

ふたりはお互いに一目で恋に落ちるんです。

 

フランス人の男優ってあまり知らないんですけど、

ジャン=ユーグ・アングラ―ドが出てました。

フランス国王ルイ11世の役で。

昔はあんな二枚目だったのになあ。

いまや見る影もない感じで、

実際、キャスト欄を見るまで気づきませんでした。

 

マクシミリアンを演じるヤニス・ニーヴナーは、

法廷サスペンス「コリーニ事件」に出演していたそうで、

であれば前に見てるはず。

顔の覚えられないぼくは、まったく記憶にありません。

 

マリーを演じるクリスタ・テレは、初めて見ましたけど、

高貴な女性っぽい気品がありました。

でも、向こうの女優さんはえらいもんで、

ちゃんと見せてくれはるんです。

やっぱり見せると見せんのではドラマの説得力が違います。

すけべ心から言うてるのではありません。

ごっつぉさんです!

あ、マクシミリアンのお尻も見られますよ、なかせさん。