うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

消えた股袋

前から読まねばと思っていた本です。

実に読みやすく楽しい本でした。

ベストセラーになった「怖い絵」よりも

ページを繰る手が進みます。

肖像画を入口に、複雑なハプスブルク家の歴史が

わかりやすく頭に入ってくるというつくりなんです。

 

名画で読み解くハプスブルク家12の物語


第4章に「軍服姿のフェリペ皇太子」という肖像画が出てきます。

その絵はこちら――。

crea.bunshun.jp

詰め物入り半ズボンの丈は短く、すらりと伸びた

形の良い脚を引き立てる(当時、脚線美は男のものだった)。

ズボンの間から首を出すコドピースは、

前世紀から大流行の装飾的プロテクターで、

戦場で戦う傭兵たちが大事なところを

守るのに付けたのが始まりとされ、

色や形、素材までどんどん派手になっていった。

という解説を読んで、

映画「スターウォーズ」に出てくる兵士(トルーパー)の

白いボディアーマー(の股間)を思い浮かべました。
あれは「コドピース」または「コッドピース

(Codpiece)から来てるんですね。

コッドというのは「だます」という意味があるので、
男性自身を大きく見せかけるための

ハッタリ装身具ってことなのかも。

 

コッドピースは日本語では「股袋」というようです。
これが現代まで残ってなくてよかったです。
もし残ってたら女子にとってのブラジャーのように
男子の必須アイテムになって、
カップだとばかにされたりしてねえ。

 

同じく中世ヨーロッパには「ブラゲット」

というアイテムがあって、
これも「股袋」と訳すようです。

ズボンにポケットのなかった時代、
その代わり股に巾着袋をぶら下げていたとか。
これも想像すると、うっとうしいです。

どちらの股袋も時代を超えて残らなくて、

ほんと幸いでした。