うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

女の意地、男の意地

昨日は高齢者大学に行くべしで、まずは河原町四条まで

阪急にのりました。

 

歩くのに困難になっていた母を階段を使わずいかにして地上に出すかを

調べつくしていたなかせは、阪急の一番前に乗り、降りたらすぐのエレベーターに

乗り、改札をでて、河原町四条北東の角にあるビルのエレベーターに

乗る段取りでそのビルに向かいました。

 

そのビルの地下の入り口あたりで杖をついたお婆さんが

重そうなカートを引っ張って転びそうになってはりました。

声をかけてお持ちしましょかと言うと

「いえいえ、そんなそんな」と断られたんですけど、

点じブロックにちっちゃいカートの車が引っかかって

また転びそうにならはったので、カートを引き取ったんです。

その重さたるや、

「こんな重いもん持ったらあきませんやん」と思わず口に。

エレベーターに乗りますと言わはったんで、

「じゃ、一緒に乗りましょう」と地上階まであがって、

四条道りにでたら、

「これからバスで山科まで帰ります」

 

どうすんの、こんな重い荷物もってバスにどうして乗るの

と口には出さなかったけど、

「バス停まで行きますわ」と50メートルほど先のバス停まで

ついて行こうとすると

「すみません、お爺さんがまだで」

「へ、お爺さん?」

後ろを振り向くと、ほんまにヨタヨタのお爺さんが

これまた大きなバッグとカートを引いて頑張ってはりました。

 

「わかりました。じゃ先にバス停に行って、その後お爺さんの

 カートを手伝いますね」

これでお婆さんは納得しはったんですけど、

そのたった50メートルの間に娘自慢と娘婿自慢の話が始まったんです。

「娘がようしてくれて、なんやしら物をくれて」

「娘婿は脳外科医でようしてくれて」

こんな時でも、こんな事をいいたいんやなあ。

これも「女の意地」手伝って貰ってても恵まれてるといいたいのか

となかせは、感心するやら、寂しいやら。

 

とって返してお爺さんのカートに手をかけると

お爺さんは頑として手を放さず

黙して語らず「男の意地」が見てとれました。

こんな頑固爺さん、勝手にしよし!

 

もう、しゃーない。バス停では誰かが荷物を乗せたげはるやろ。

私は知らんし!と向かいのバス停へと向かいました。

 

私も後10年もすればああなるなあ。

若い時はこの黄色信号も走って渡れたのにと、いらつくなかせでありました。