うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

なぜに野菜顔?

寝入りばなは蒸し暑く、明け方は涼しくて、

7時ごろはまた少し気温が上がって、

なかなか過ごしづらいです。

今朝はまだ小雨が残っていますね。

菜園の水やりがいらなくて、まあいっか

となかせさんは考えているでしょう。

 

そんな野菜好きのなかせさんに捧げる、

今日の名画――。

頭の先からアゴの先まで、全て野菜・果物・花から成る

ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世

という肖像画です。

ルドルフ二世というのは歴代ハプスブルク家のなかで群を抜く変わり者。

神聖ローマ帝国皇帝(在位:1576年 - 1612年)なのに、

政治にも結婚にも興味のない芸術オタクでした。

 

植物好きの人ならこの絵に何種類の野菜や果物が埋め込まれてるか

わかるんでしょうね。

ぼくにはなんだかグロテスクな生き物のように見えます。

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これ、画家が冗談で描いた絵のように見えます。

でも、ルドルフニ世本人から依頼され、

しかも本人をいたく満足させた、

れっきとした宮廷肖像画なんですって。

 

作者は祖父の代からの宮廷画家、奇抜な画風で知られる

ミラノ出身のジュゼッペ・アルチンボルド

アルチンボルドは、動植物、野菜、果物、魚介類、

本などを緻密に組み合わせ、人間の顔に見たてた

「合成人面像」の制作で知られ、

その奇想と独創は多くの模倣を生んだ

(江戸時代の浮世絵にまで影響を及ぼしている)。

(「名画で読み解くハプスブルク家12の物語」から)

ということです。

 

この絵はウェルトゥムヌスという季節を司る植物の神が、

ルドルフ二世に姿を変えた瞬間を描いているそうで、
洋梨、ブドウ、さくらんぼ、桃、リンゴ、イチゴ、トウモロコシ、

カボチャ、瓜、タマネギ、ニンジン、豆、ユリ、バラ……と

季節の豊かな植物こびっしり埋まった上半身になっています。

植物は花言葉のようにそれぞれ意味をもっていて、

リンゴは知恵、ブドウは喜び、タマネギは不死、

ユリは清浄を表していて、

顔のどの部位にどの植物が当てはめられているか、

というところから画家のメッセージが解読できるのだそうです。

今となってはこの絵に込められた寓意や象徴を

読み取るための教養や知識が失われていて、

完全な絵の解釈は不可能とのことです。

なにが言いたいのかわからないけど、

なにかしら訴えてくる。

それが芸術の迫力ですね。

うまくあるな

きれいであるな

ここちよくあるな

というTAROMANの歌を思い出しました。