中国はいたるところにカメラがあって、
監視社会だから新型コロナの制圧に
成功したといわれていますね。
日本の場合はクラスター対策で、
感染者の行動を聞き込みで明らかにする
アナログな方法だったといいます。
いま読んでいる時代小説に面白いエピソードがあったんです。
生類憐みの令で有名な五代将軍綱吉の治世。
元禄6年6月に、幕府は馬がものを言うといううわさについて、
お触れを出したそうです。
何者申し出候や、一町切に順々はなし候者先々たんたへ、
これを書き上ぐべし。はじめて申し出候ものこれ在候はば、
何方の馬もの申し候や、書付いたし早々申し出づべく候
誰がいい出したことか、一町ごとにそのうわさを
誰から聞いたかをたぐって、出所を確かめろというお触れです。
町ではそのお触れどおりに町民一人一人から調書を取って
3ヵ月目、調べの人数が35万3588人に達したところで、
ついに最初に流言をはなった男が突きとめられたんだそうです。
その男、浪人筑紫園右衛門は翌年3月に、
江戸市中ひき回しの上斬罪に処せられました。
隣にだれが住んでいるかよくわかっている時代だからこそ
できたのかもしれませんが、それにしても警察国家恐るべしです。
アナログでも相当なことができるんですね。
しかし、なんで「馬がしゃべった」くらいの他愛ない噂で、
ここまでしたのか不思議です。
生類憐みの令に対するご政道批判があったのでは?
ということのようですが。
そういえば「馬がしゃべる? そ~んな馬鹿な」って
アメリカ製ドラマがありましたよね。
ミスター・エドって、江戸時代の話ではありませんけど。