仕事が忙しいにもかかわらず、というか、
そういうときに限って映画とかに逃避するんですねえ。
昨日は「娼婦ベロニカ」(原題:Dangerous Beauty)を見ました。
16世紀のヴェネツィアに実在した高級娼婦の話だとか。
Dangerous Beauty - Original Theatrical Trailer 1
この時代の女性は、たとえ貴族の娘でも持参金が少ないと、
望む相手との結婚はできず、修道女になるか高級娼婦になるかくらいしか
選択肢がなかったということなのです。
主人公ベロニカは恋人と別れ、母の導きで、後者の道を選びます。
実はお母さんも元娼婦だったのです。
高級娼婦は日本の花魁といっしょで、ただ美しいだけでなく、
技芸全般に秀で、教養もあって、もちろん性技のほうもバツグン!
お母さん役があのジャクリーン・ビセットなんです。
「私のほうがきれいだったけど」っていう母親のセリフがあるんですけど、
思わず、うんうんと納得しましたねえ。
ジャクリーン・ビセット、いかにも西洋美人でしたもん。
恋あり戦いあり宗教裁判あり、高級娼婦の波乱万丈人生、楽しめました。
これはアマゾンプライムで無料鑑賞ってやつです。
で、もう1本が、ETVで前に録画していたアニメ映画「聲の形」。
これはもう素晴らしかったです。
原作のマンガが優れた作品なのでしょう。
小学校に耳の聞こえない女の子が転校してきて、
クラスの中でイジメにあうのですが、彼女をいじめた男の子も、
それがもとで村八分にあいます。
小学校ってそんな地獄のような場所になってるのかと、
冷え冷えとした気持ちになってきます。
これほどの怖ろしい孤立、孤独があるでしょうか。
ぼくもやっぱり友だちができにくいタチで、
孤独がいつも友だちのようなところがありましたが、
こんな辛い、深い、残酷な孤独は知りません。
「きもい」とか「うざい」とかいう今日的な言葉が
どれだけ鋭利な刃物となって人の心を切り裂くものなのか、
映画を見ていてよくわかります。
きっかけはちょっとしたイタズラ心でも、
それが思わぬ反応を呼び起こし、傷つけ合いの連鎖が広がる。
耳の聞こえない女の子は出てきますが、
この映画は障害のあるなしに関係なく、
だれにでも起こりうる問題を描いています。
2時間、ほんとに中身の濃い映画でした。
そうそう、今日の日記タイトルはこの映画に出てきた言葉です。