うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

ルドルフにイッパイアッテナ

 うたかたの恋」の真実

 読み終えました。

 「うたかたの恋」とは、副題にあるように、

ハプスブルク皇太子心中事件

通称「マイヤーリング事件」をもとに、

フランスの作家クロード・アネが書いた小説のタイトルです。

何度も映画化されています。

オマー・シャリフが皇太子、カトリーヌ・ドヌーブが少女マリー

を演じる映画が有名です(見てないですけど)。

 

30歳のハプスブルク帝国の皇太子ルドルフと、

17歳の男爵令嬢マリー・ヴェッツェラが

1889年、ウィーンの森の閑静な一角にある小さな村、

マイヤーリングの別荘で亡くなったのですが、

その真相、実際のルドルフとマリーの関係や事件の経緯について

まとめたノンフィクションです。

 

名門王朝の後継者が“不倫”の恋の相手の少女と、

よりによってピストル自殺をとげたというので、

全ヨーロッパを驚愕させた

というこの事件。

小説はロマンチックな悲劇として描こうとするあまり、

虚実ないまぜの物語になっているので、

「実」の部分だけで構成したドキュメンタリーを、

ということで書かれたのがこの本です。

 

愛し合う男女が同時に命を絶つということでは心中ですが、

実際は皇太子の自殺に、恋に恋い焦がれる年頃の女の子が

純粋な思いから最期をともにしたというのが

事件の真相だとしています。

少女が姉にあてた遺書、哀れです。

まだまだいろんな経験ができたはずなのに……

 

「私たちは至福の喜びのうちに、未知の向こうに行きます。

 時々は私のことを思い出し、幸福になり、愛のためにのみ結婚してね。

 私にはそれができず、さりとて愛には抵抗できず、彼と一緒に行きます。
 私のために泣かないで。

 平和な気持ちで向こう側へ渡ってゆくのですから。
 毎年一月十三日がきたら、私の墓に「くちなし」の花を置いてね。

 もう一度さようなら。
 あなたのマリー」

 

「未知の向こうに行く」という感覚、

いかにも夢見る少女で、若いですねえ。

 

あああ、もんこんなに文字数が。

ほかにも興味深いエピソードがイッパイアッテね、

また別の日に書きます。