先日、NHK「英雄たちの選択」という歴史番組で、
作曲家、古関裕而を取り上げていました。
戦時歌謡、軍歌でも大ヒットを飛ばした人なのですね。
ぼくでも知っている歌が、いくつもあります。
代表曲といえば、
勝って来るぞと勇ましく
という「露営の歌」。
勇ましく~~ゥと音が上がって、
ちかって故郷(くに)を出たからにゃ
につながっていくところ、
上手にできてますよねえ。
軍歌でありながら、しかし、この曲を聴いていると、
戦意を高揚させるというよりは逆の印象を受けます。
短調ですし、哀調を帯びた、やがて物悲しいメロディーで、
よく採用されたと思います。
反戦歌とまではいわないけれど、
手柄たてずに 死なりょうか
明日の命を 誰が知る
夢に出てきた 父上に
死んで還(かえ)れと 励まされ
朱(あけ)に染まって にっこりと
笑って死んだ 戦友が
といった歌詞は、どれも死と結びついていて、
厭戦的な気分に誘われます。
ただ日本の軍歌って、こういうのが多い気がします。
滅びの美しさに、官民ともにとりつかれていたのでしょうか。
歌詞を書いたのは京都市役所に勤務していた
薮内喜一郎という人で、それゆえ、京都・嵐山に、
「露営の歌碑」があるそうです。
知りませんでした。
歌碑のある場所は、渡月橋南詰から桂川(大堰川)を上流に向かって
約100メートル進んだ左側だそうです。
(3ページ目)朝ドラ「エール」古関裕而と妻金子の“意外な素顔”3選 駆け落ち寸前の失踪事件を…… | 文春オンライン
ウィキペディアによると、
「露営の歌」はB面であったにもかかわらず、
A面の「進軍の歌」をしのぐ人気を得て、
当時としては異例の60万枚以上のレコードを売り上げ、
当時の有名な歌謡曲の一つとなった。
ということで、露Aの歌じゃなかったんです(なんのこっちゃ)。
ちなみにA面よりもB面がヒットした曲は、
ちあきなおみ「黄昏のビギン」
ハナ肇とクレージー・キャッツ「スーダラ節」
ヒデとロザンナ「愛の奇跡」
……などなど。
A面B面って、もはや死語なんですねえ。