父の蔵書を整理していたら
琵琶湖疏水の100年
という重さ5キロほどありそうな画集が出てきました。
叙述編; 資料編; 画集の3巻セットです。
画集には蛇腹式に折りたたまれた絵が何十点と収められています。
疏水工事の様子を記録したもので、作者は洋画家の田村宗立とのことです。
琵琶湖疏水は、明治18年(1885年)6月に着工して、
明治23年(1890年)4月に完成しました。
この画集は完成100年を記念して出版されたのですね。
解説によると、
この琵琶湖疏水工事図巻は全部で三十九図からなり、
現在は各図ごとに切り離されて額装にされているが、
もとは二巻の巻物であった。
ということで、引き延ばすと何メートルもありそうな巻物が
蛇腹折に収納されているので、
スキャンできなくてデジカメで複写しました。
なので歪んで写っています。
タテヨコ比がおかしい。
でも、中身が珍しいから我慢してください。
大した機械も使わず、よくぞあんな大工事を成功させたものです。
というのは有名な話です。
もうひとつ同じような絵図で「琵琶湖疏水図誌」というのがあり、
そちらは河田小龍という絵師の手になるそうです。
カラー写真がない時代のことなので、
色鮮やかな細密画は貴重な記録でした。
どちらもこの「琵琶湖疏水の100年」に収録されています。
実はこの本、あまりにかさばるので、
図書館に寄付しようかと思ってたのですが、
開いてみると美しくて、もったいなくなってきました。
水道局に奉職した父は、蹴上の浄水場建設にも携わり、
上下水道のエンジニアとして一筋に生きました。
リタイアしてかなりたって、この本を手にしたはず。
いえ、100周年の翌年には亡くなっていて、
闘病生活も1年以上あったので、
どういう経緯でこの画集が家にあるのか、いまでは不明です。
闘病の最中に出版を知って父が注文したのか、
それとも水道局OBには贈呈されたのか。
父はこの画集を開けることができたんだろうかと思いを巡らせます。
もうしばらく手元に置いて、日記のネタに使いたいと思います。