先週の「サワコの朝」にバイオリニストの五嶋龍が出てたんです。
「題名のない音楽会」の司会を務めてたんですってね。
ちっとも知らなくて、テレビで初めて見ました。
バイオリニストの演奏スタイルはいろいろでしょうが、
この人の場合、あごの下にタオルなのかガーゼなのか、
けっこう大きなハンカチ大の布を挟むんですね。
おまけにそれが白色なので、よく目立って。
あれはないとだめなんでしょうけど、
もう少し濃いめの色にするといいなと思いました。
それにしても話すこと話すこと、どれも面白くて感心しました。
テレビはあってもそれは放送を見るだめじゃなくて、
音楽ソフトを再生するためだけに使われたとか、
高校の同級生が弾くエレキギターを聴いて初めて、
こんな音が存在するのだと衝撃を受けたとか、
姉は自分の演奏の仕方を嫌ってると思うとか。
なかでも印象的だったのが、クラシック音楽というのは
何百年も前に作曲された曲を譜面通り演奏しているという話。
原曲通りなにも変えられないなら
ビートルズのカバーバンドと何が違うのかという話になる。
音量もテンポもあまり変えられない。
そういうルールがあるなかで
1音1音を少し変えていくことはできる。
1音1音、ちょっと速くしたりゆっくりしたり大きくしたり。
どういう全体像にしたいか自分さえわかっていれば、
1音について0.1%だけ変化させることで、
それが1000音集まることで100%に変わる。
そうすることで同じ曲でも全然違うものに聴こえるはずだ。
聴いている人は、なぜかわからないけど、
スムーズな感じで違いがわかるはず。
ハーバード大学で物理学を専攻したというだけあって、
合理的な考え方ですよね。
物理を学んだのは自分を悪魔のように従わせようとする
音楽への反抗だったらしいです。
とにかく自分で原曲の解釈を決められるようになってから
演奏が面白くなってきたということです。
賢い男の子が愛と厳しさあふれる家庭で猛烈に努力すると、
こんなに突き抜けた人になるのか、
それとももともと天才だったのか。
もっと話を聞きたくなりました。
演奏もね。