昔の人は長生きすればするほど知識が増えて、
まわりから頼りにされるご隠居さんになれたかもしれません。
けれどもいまは長生きすればするほど知らないことが増えて、
物知りになるどころか、時代遅れの役立たずになったような、
そんな気にさせられません?
インク沼
ってなんのことでしょう。
日経新聞にブームだと書かれていました。
万年筆インクにハマってしまうこと
らしいです。
詳しくはこちら。
【インク沼とは?】万年筆インクの魅力&インク沼にハマるわけ | 【カリグラフィー ブログ】カリグラフィー メモ
話は変わって、いつか面白くなるかもと思って見ている
「ミステリと言う勿れ」ってドラマで、
菅田将暉が演じる主人公はいつも自分の名前を説明します。
久能整(くのう・ととのう)
名前の読みが「ととのう」で、
彼は自己紹介するたびに、
「ととのう」は「整う」の「う」のない漢字です
みたいな補足説明をします。
これは海外ドラマ「アンという名の少女」で、
私はアン・シャーリー・カスバート、
アンはEのつくアンよ
というのと同じパターンですね。
ぼくは光彦と書いて「てるひこ」と読むけど、
いちいち言いません。
「だれが興味あんねん!」って話ですから。
「みつひこさんですね」と確認されても、
「はい、そうです」って返事するくらいです。
わざわざ自分の名前の正しい読みや綴りを
紹介する主人公たちは自意識過剰じゃないでしょうか。
で、この「整う」もまたブームとなった言葉でした。
2021年の新語流行語にノミネートされているのです。
知りませんでした、サウナ用語から来てたとは。
【サウナ5分→水風呂1分→休憩5分】というように休憩を挟むことで、
体中に血液が巡っているのをより感じることができますよ。
休憩をしていると、リラックス状態が極限に達し、
多幸感や恍惚感を覚える時がやってきます。
宙に浮くような、なんともいえない感覚で、サウナ好きの間では、
この瞬間「整った~!」と心の中で叫ぶのがおきまり。
心と体が「整う(ととのう)」という意味で使われていたワードが
だんだんと世に浸透していったと言われています。
「整う」ってどういう感覚?サウナの楽しみ方&おすすめの銭湯・スパ | キナリノ
「整う」が流行語になったから、
主人公の名前に採用されたかどうかは知りません。
歌い手
絵師
これにも新しい意味があるみたいですけど、ああ、めんどくさい。
とにかく世の中、次々と知らない言葉や言葉の使い方が出てきて、
それはブームのような社会現象がどんどん小粒に、
個人よりになってきているということなのでしょう。
ぼくらは言葉が次々と生まれて消えていく急流のなかで生きていて、
覚えたと思ったら古くなっていきます。
高齢者が増え過ぎて、珍しくもありがたくもない現代、
長寿というだけで尊敬された日は遠くなりにけり、です。
ちなみにこんなニュースがありました。
TBSラジオの番組『TALK ABOUT』が10~20代の206人に
「今使うとダサい言葉」を調査し、「マジ卍」が1位となりました。
「マジ卍」は、感情の高ぶりや物の程度を指し示す言葉で、
良し悪しどちらの意味にも使えます。
ニュアンスで言うと「ヤバい」同等の汎用性の高さで、
2017年ごろから流行りだしました(例文:次の時間自習なんだ、最高マジ卍)。
1位から順に「マジ卍」「ぴえん」「なう」「写メ」
「タピる/激おこぷんぷん丸」という順番だったそうで、
もはやぼくが知らない言葉、使ったこともない言葉が、
「いま使うとダサい言葉」になってたんですね。
時代は猛スピードで転々としていきます。