昨日は32度で、ぐんと過ごしやすくなりました。
昔の夏は30度を超えると暑い気がしましたが、
いまは30度くらいへーっちゃらって感じます。
それでも暑いのには変わらないので、
こういうときは唐突ですが、氷山を思い浮かべます。
(なかせさんだと、かき氷宇治茶白玉あんみつ?)
氷山も昨今、温暖化で目減りしているようですけれど。
で、氷山といえば、
氷山にぶつかった(こすった?)タイタニックを思い出します。
世界最大の客船だったタイタニックは、
1912年4月14日の23時40分に氷山に衝突し、
翌4月15日の2時20分に沈没しました。
「豪華客船の文化史」って本で読んだんです。
著者によると、どんな事故でも
「偶然」と思われる多くの要因がつながり合って、
事故という「必然」に結びつくらしいです。
ちなみにこの絵はAIが描いたので、なんかヘン。
タイタニックに全然似てません。
タイタニックは単に世界最大というだけでなく、
世界一安全な客船として設計され、建造された客船です。
なのになぜ事故は起こったのか。
著者は次の5つの「偶然」をあげています。
1
双眼鏡が配備されていないことが判明した。
目的地のニューヨークまで双眼鏡なしで航海することとなった。
もし、フォアマストの見張り台の当直員が、
双眼鏡で前方を監視していたならば、
500メートル手前(衝突の約一分前)に近づく前に、
氷山を発見して避けることができたであろう。
2
事故当日の夕刻から、船客からの電報依頼が無線室に殺到していた。
無線係はこの処理に忙殺されていたため、
付近を航行中の船(メサバ)からの氷山情報が
直ちにブリッジに届けられなかった。
3
マスト上の見張り員が氷山発見を大声で船橋に告げたとき、
当直の一等航海士は、とっさに「全速後進」を
機関室へ指示、舵を左に切った。
もし速力を落とさずに転舵していたなら、
氷山との衝突は避けられたかもしれない。
速力が低下するほど舵効きは悪くなるから。
あるいはもっと大胆な推理だが、
氷山と正面衝突していれば、船首は大破するだろうが、
本船の水密区画構造からして、沈むことはなかったかもしれない。
4
近くの水域で氷山に閉じ込められて停止していた
貨物船カリフォルニアン船上では、
タイタニックからSOSが発信されたとき、
無線機が封鎖されていた。
このため、本船がタイタニックから
もっとも近い位置にいたにもかかわらず、
遭難信号を捉えることができなかった。
当時は緊急でないかぎり、
通信機は夜間に封鎖されるのが一般的であった。
5
タイタニックからは曳光弾が発射されて、
自船の危急を知らせた。
カリフォルニアンからこれが望見されたが、
流星と見誤ったのか、誰も不審に思わなかった。
以上の偶然が必然となって、
ご存じの通り、救命艇の数が少なかったので、
婦女子と一部の男子客が助かっただけで、
1503名もの乗客、乗組員が船と運命をともにしました。
事故発生から沈没まで2時間半の間、
船上では極限状態に置かれた人びとのドラマが展開されます。
これは映画で描かれてますね。
タイタニックの悲劇でいちばん印象的なのは、
沈没に際して、船長が「女性と子ども優先」と命じたことです。
その命令に、多くの男性、船員、楽団員などのスタッフが従いました。
船長が「ウィメン・アンド・チルドレン・ファースト」と命じたことで、
女性の生存率74%、子どもの生存率52%だったのに対し、
男性の生存率は20%となった。
と下のサイトにあります。
これ、いまの時代だったらどうでしょう。
女子どもを優遇するのは性差別、年齢差別、職業差別にあたるのか。
体は男性だけど心は女性ですって人はどうするのか。
ぼくは現代でも女性と子ども優先は妥当な命令と感じますが、
そうでない意見も多いかも。
女性と子どもを優先したタイタニックは例外的で、
緊急事態での避難について
多くの人間は利己的に振るまい、我先に逃げる傾向がある
と、上のサイトに書かれています。
人間、その場になってみないと
どういう言動をとるかはわかりませんよね。
極限状態の切迫した状況の中で勇敢な行動をとった人に、
改めて敬意を表したいと思います。
で、ほんとにちなみになんですけど、
タイタニック号のことを調べて書いた原稿が、
潜水艇の事故があったせいで、
いまは触れないでおこうと、没になりました。