うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

いつくしみ深き

親孝行の一つもせず母を見送ったのですが、

最後、母がホスピスで過ごせたことを

何よりだったと思っています。

 

母は末期の肺がんに腸閉塞を併発して、

点滴だけの生活になっていました。

若い頃、子宮がんになって、放射線治療をしたのですが、

その後遺症で、腸がボロボロになっていたのです。

今なら、ピンポイントで照射しますが、50年前の治療ですもんね。

 

点滴の袋を見ながら、何もたべられず病院で過ごす日が、

1か月以上にになりました。

 

退院を迫る病院から、療養型の病院に入って点滴の生活を続けるか、

ホスピスに入って徐々に点滴をはずすか、二つの選択肢を示されました。

 

母は、ホスピスがどういう所かを理解した上で「バブテスト病院のホスピス

を選びました。

 

北白川にあるバプテスト病院は、その名前で分かるように

キリスト教系の病院で女性の牧師さんが、部屋を回って

患者さんのケアをして下さいました。

 

ひねくれもんの母は「毎日来はるから、話し聞いたげてんね」

なんて言ってね。それでも嬉しそうでした。

 

介護は手あつく、感謝の言葉しかありませんでした。

 

ホスピス病棟のロビーでは、週替わりで催事があり。

歌あり、演奏ありで、患者さんを慰めようと皆さんやさしい心で

演奏なさってました。

 

ある日、女性がこんなハープを演奏なさっていました。
item.rakuten.co.jp

演奏が終わって、どんな構造になっているのか興味津々の私は。

近寄って見せていただきました。

 

音階はこうですよ、半音は足元のペダルで調整するんですよ。

親切に教えてくださいました。

 

弾いてみますか? 待ってましたの私でした。

ただ触りたいだけでね。

音階はピアノと一緒。色わけの弦でわかりやすかったんです。

 

 いーつくしみふかーき そーの名主エスは♪

「ソーソラソミドドーラ ソードミドソミレ」

たった一つ出てくるドの♯も、ペダルを踏んだらちゃんと半音あがりました。

最後は「ドミソドミソド♪」なんてサービスしてね。

 

ナースステーションの看護師さんも出てこられて、拍手をして下さいました。

 

車椅子に座って聞いていた母が

「買うたげよか?」と一言いいました。

「そんなん、いらんよ。」と返事して、

弾かせてくださった女性に丁寧にお礼を言ってお返ししました。

 

後にも先にも、一回こっきりのハープの発表会になりました。

母は満足そうでした。

 

今日は高齢者大学音楽教室、ハープ講義の日。

大きなハープなんか目にすることなんてないのに、残念。

なかせは、今日から三泊四日の北海道旅行です。

 

後は頼んだぜ! うめはらさん。