うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

いつまで謎の古代文明?

この本が読み終えられて、ほんとうれしいです。

1975年、大学生協の書籍売り場で買いました。

当時で1800円ですから、

ぼくは相当に悩んで買ったはずです。

(いまでもこの値段だったら悩みます)

なのに半世紀近く読んでなかったんです。

アトランティス大陸ムー大陸って、

小学生のときに読んだ少年雑誌しょっちゅう出てきました。

以来、失われた古代文明への憧れはずっとあるんです。

 

この本の著者はベルリッツ言語学創始者の孫で、

水中探検家であり、30か国語を解する考古学研究者です。

大学の教授とかじゃなくて、アマチュア研究家という感じ。

 

絶海の孤島の巨石像、数百万トンもあるピラミッド、

からしか見えないナスカの地上絵画……。

どうやってつくったのか謎な建築物はいろいろありますし、

当時は未知だったはずの天体や大陸が

古地図に恐るべき精確さで描かれているとか。

こうした「証拠」を次々見ていくと、

現代につながる文明以前に、

高度な技術や知識を持った人々がいたに違いないと思います。

 

たとえば電気についての知識も、

フランクリンが発見する以前の大昔にあったのかもしれません。

ペルーの西岸で、金メッキをした銀製の工芸品が出土したそうです。

電気分解の知識なしでどうしてメッキが施されたのか、

想像も及ばないが、溶けた金・銀を煙霧状にし、

それを銅に付着させる方法が採られていたらしい。

そこで重要なことは、どのようなものであったにせよ、

このメッキ技術は、スペインの征服者たちが目撃した文化より

古い文化に属するものであったという点である。

 

とまあ、こういった例が山ほど紹介されています。

ピラミッドというと、どうやってあんな重い石を

積み上げたんだろうということばかり考えてしまいますが、

「照明」という観点から著者は指摘します。

エジプトのギゼーの大ピラミッド内部の

まったく寸分の狂いなく切り込まれた通路は、

何ら効果的な照明もないのに、

どのように作業が進められたのであろうか。

その低い天井にも、当時知られていた照明が使われたことを

示す痕跡はまったく見当らないのである。

 

ピラミッドはその形、構造そのものが

一大資料館だと著者はいいます。

ピラミッド測量では、はっきりと

π(パイ)の近代の数値 3.1416 が得られる。

ピラミッド底辺の四辺の長さの総和を、

高さの二倍で割って得られる数で、

これは円周の半径に対する比を計算する普通の方法なのである。

かつて、ギリシアの数学者は、アルキメデスと言えども、

この数値を3.1428以上に近づけることができなかったのである。

しかもそれは、このピラミッドが建てられてから

何千年も後においてのことだったのである。

 

ジョナサン・スイフトといえば「ガリヴァー旅行記」ですが、

彼は1726年の時点で、1877年まで発見されなかった

火星の「星」または「衛星」の存在について、

ガリヴァー旅行記」に計測値とともに示しているということです。

イマヌエル・ヴェリコフスキー教授は、論議をかもしたその著

『衝突する天体』において、

ガリウァー旅行記』で飾り気なしに述べられている事柄が

ほぼ正確である点を指摘し、それが単なる当てずっぽうの推量ではなく、

失われた科学知識の体系の流れを汲むものに違いないと述べている。

 

ほかにも、次から次と出てきます。

地球を半周した反対側に全く同じ太古の文字が存在した!

フェニキア人やヴァイキングたちはコロンブスより

 遥か昔に世界の海と新大陸をすべて知っていた!

シベリアの冷凍マンモスの口中に残る南方植物の謎!!

インド古典に語られるのは古代の原子爆弾か?

地殻や気候の大激変と人類の遠い記憶に残る大洪水の痕跡。

 アトランティスは確かに沈没した!

 

というように感嘆符付きで紹介したくなる謎の事実が、

週刊誌の車内吊り広告なみ(もう廃止された?)に出てきます。

それぞれに興味深いんですけど、

ベルリッツさんは物書きじゃないので文章がヘタ。

構成がなってない。

話があっちゃこっちゃとっ散らかってて盛り上がりがないんです。

だから決して読みやすい本じゃなかったです。

ただ、半世紀前の本ですから、いままでの間に、

調査技術も進んで新しい発見があったはずです。

そういうものがまとめられた本があればいいなと思いました。

以前と比べて、失われた文明への関心が少ないというか、

最近は耳にしませんよね。

スーパーミステリー・マガジン「ムー」を購読するような、

オタクだけの関心事となったのでしょうか。

なんででしょう。

 

いまと同じかそれ以上の文明が何万年も前にあって、

それが大きな気候変動や造山運動で滅びて、

後続文明はその記憶をほぼ失くしてしまった

と想像すると、壮大なロマンを感じます。

いまの文明もいつか滅びて、

また1万年後に次の文明が誕生するのかもなあ。