金鳥の夏、妖怪の夏。
あ、もう夏は終わりですかね。
ずっと涼しいです。
ライターを始めて間もない頃、清水の舞台から飛び降りる思いで買った
アップル社のマッキントッシュでつくった暑中見舞い。
ふと思い出しました。
子どものころ、母はときどき話を聞かせてくれました。
幽霊の母親がお乳が出なくなったので、
代わりに飴を買って子どもに与えたという話。
それがこの幽霊飴や~~~
と、おどかすように買ってきた飴を出しました。
これがまた、微妙な味で、
母の話が話だけに、気味悪くて、
喜んで食べたという記憶はありません。
たまたまフリーペーパーに、
この飴の記事が載っていました。
正式には、
京名物 幽霊 子育飴
というそうです。
売っているのは450年も続く「みなとや本舗」という店。
(ちなみに本舗とは製造販売をしている店のことをいいます)
関ヶ原の戦いの前年に、
実際にあった不思議な出来事に由来するそうで。
すなわち――
夜な夜な飴を買いに来る女性がいた。
女性は6日続けて飴を買い、
7日目に支払った一文銭が葉っぱに変わっていた。
女性は三途の川の渡し賃である六文銭を使いきると、
仕方なしに葉っぱを銭に変えて飴を買いに来たのである。
店主はそこで妊娠したまま亡くなった女性のことを思い出し、
僧侶と縁者をともなって墓を掘り起こすと、
女性の横に元気な赤ちゃんがいたという。
この話を母はいかにも怖そうに、
子どもたちにとくとくと話しました。
いま思うと母はストーリーテラーでした。
地図を見ると、店があるのは東山の松原通り、
うちの先祖代々のお墓のある寺から家までの帰り道でした。
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