うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

ライブ直前の悪夢

また悪夢を見たんです。

 

ライブが始まる直前でした。

なのにぼくはなんの準備もできていません。

それどころかパジャマ姿でステージの袖にいました。

会場は学校の講堂のようなところです。

家でもないのに、なぜかぼくのタンスがあって、

そこからシャツとズボンを色や柄など

組み合わせに悩みながら引き出します。

 

まわりにはライブのスタッフがいっぱいいて、

服を着替える場所がないので、ぼくは外に出ていきます。

薄暗い会場から外に出るとまぶしいくらいの明るさです。

文化祭かなにかのようで校庭には人がいっぱいいました。

ぼくは着替えができる木陰のような場所を探したけれど、

見つかりません。

パジャマ姿なのですごく目立ちます。

 

あちこち歩き回って、それでも適当な場所がないので、

もう見られてもいいや

校庭のど真ん中にあったベンチに衣服を置いて着替えました。

着替え終わって歩きだしたら、

ズボンがパジャマのままだったと気づき、

あわててベンチに戻り、ズボンに履き替えます。

 

会場に戻ると、まばらだった客席が、

制服姿の中学生のグループなどで埋まっています。

そしてざわざわとしています。

ステージにはもうメンバーが出ているのです。

メンバーというのは大学時代にいっしょに

バンドをやっていた千田君と野玉君で、

そこになかせさんも入っていました。

このメンバーでやるのは初めてなのに、

練習どころか打ち合わせもできていない

という信じられない状況です。

 

千田君がMCで、メンバーがまだ来なくて困っている

というような話をしていました。

怒り心頭なのだろうとわかります。

ぼくは早くステージに行かなくちゃと思うのですけれど、

歌詞カードが入ったクリアファイルがありません。

おかしい、着替えに出る前はあったのに

ぼくはステージの袖を必死で探します。

若いスタッフの男女も探してくれます。

なにやってるんだ、早くしろよ

という声が客席から聞こえてきます。

ぼくはあせりにあせります。

 

千田君なら歌詞を見なくてもすぐにうたえて、

場つなぎなんてお手のものなのに、

なぜかぼくが戻るのを、

ただステージに突っ立って待っています。

それはわざとなのかもしれません。

野玉君は茶化すように、他人事のように、

あいつ、なにしとんのやろねえとにやけています。

なかせさんはおろおろしている様子です。

 

ぼくはステージの左袖から今度は右袖に走ります。

ものが雑然と置かれていて、

色違いのクリアファイルもいろいろあったけど、

ぼくが探す黒色のA4ファイルはありません。

 

会場はいびつな形でした。

ステージの前には客席がなく、

ステージに向かって左方向に椅子が並べられていました。

演者は斜め右を向いてうたうことになるようです。

 

前のほうのお客さんから、

このギター、置きっぱなしやん

はよ持っていきぃな、高いギターなんやろ

と声をかけられました。

そうそう、ステージの前の空いたスペースに、

ケースに入ったぼくのギターがありました。

ぼくがギターを持ち上げると、なんと!

その下にクリアファイルがあったのです。

 

ぼくはようやくステージに上がりました。

が、そのときには持ち時間がほぼ消え失せて、

次のバンドが迷惑そうな表情を隠しもせず、

いままさに動き出そうとしていたのでした。

 

 

 

今朝の絵画は、ドイツの画家、

エルンスト・ルートヴィヒ•キルヒナー作、

「街頭の五人の女」(1913)です。

Ernst Ludwig Kirchner_Five women at the street (1913)_1200x1568