うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

1万円札は1枚20円?

木の芽っておいしいです。

このところ我が家では竹の子料理が続いていて、

これには木の芽がぴったり。

木の芽って山椒の葉っぱですよね。

実も葉っぱもおいしい山椒はえらい!

ってことを否定する人は少ないでしょう。

だけど、世の中どっちがが正しいか

判断のつかないことだらけじゃないでしょうか。

 

こないだ日銀総裁が代わりましたね。

異次元の金融緩和、国債の大量買い入れ

という政策は正しかったのかどうか。

こういう大きな問題では真逆の意見が乱れ飛びます。

緊縮財政派の意見を聞けば、

そうだそうだ、借金が膨らみ過ぎていいなんてこと

あるわけないって思うし、

財政出動派の意見を聞けば、

え? 国の財政と家計を同じに考えちゃだめ?

と、秘密の常識を教えられた気になります。

なにかにたとえてわかった気になるのは

本質の理解を遠ざけるということですね。

 

結局、素人は権威(えらい人がどう言うか)に

影響されると思うんです。

アベノミクスを賞賛したのはノーベル経済学賞受賞者たちで、

「革新的な経済指導者だった」と安倍元総理を評価しています。

そう聞くと、あれはあれで試す価値のあった実験なのかも

という気がしてきます。

一方で、それとは反対の立場をとるのが、この本の著者です。

このまま野放図に財政ファイナンスを続ければ、

日銀の金融政策は必ず行き詰まり、財政も同時破綻する。

ハイパーインフレは些細なきっかけで起こるんだ!

日本は「ノー・イグジット(出口なし)」の未曾有の危機にある

という問題意識が書名の由来です。

ここ「みぞうゆう」と読んでもらってけっこうです。

その方も本書に主役級で登場します。

 

財政ファイナンスとは、財政赤字を賄うために、

政府の発行した国債などを中央銀行

通貨を増発して直接引き受けることをいいます。

日銀はお金を印刷すればじゃぶじゃぶ

通貨量が増やせるといいますが、

ほんとにそうなんでしょうか。

1万円札を1枚刷るコストは20円

とこの本には出てきます。

実際はお金を刷らずに数字というデータで

市中銀行に送金してるってことはないんでしょうか。

だれか教えてほしいです。

 

Exit イグジット

アベノミクスで株価は2倍、雇用が400万人増えた一方、

10年間で投じた額は1500兆円を超え、

国債発行残高の半分以上を日銀が保有する。

という不安な状況はこの小説が書かれた時点と変わってません。

いつか日本円が信用を失くしてハイパーインフレになったときは、

ああ、あれは間違った政策だったとわかるんでしょうけど、

そのときを生きて迎えたくはないものです。

 

さて、小説としてこの「イグジット」を楽しめたかというと、

どうも……日本のこういうフィクションって、

固有名詞を全部架空の名前に置き換える慣習があるんです。

なので、どうしても嘘くささがぬぐえません。

アメリカの小説だと実名で企業・ブランド名が出てくるのに、

なんで日本ではだめなの? と思いました。

せめてアップル社はアップル社でいいんじゃないの、と。

 

以下は本書における言い替えリストです。

磯田一郎副総理兼財務相 → 麻生太郎副総理兼財務相

芦原恒三民政党総裁 → 安倍晋三自民党総裁

緑川日銀総裁 → 白川日銀総裁(第30代)

赤間日銀総裁 → 黒田日銀総裁(第31代)

アシノミクス → アベノミクス

いなほフィナンシャルグループ → みずほフィナンシャルグループ

三田電機 → 東芝

東田相談役 → 西田相談役

遠州銀行 → スルガ銀行

スペンサー大統領 → トランプ大統領

ティーブ・ウォーターズ → ジェローム・パウエルFRB議長

言論構想社 → 文藝春秋

アプリコット社 → アップル社

紅葉狩りの夕べ → 桜を見る会