向日町の「すいようフォーク」では恒例、
【フォークソングやったん?】
という企画があります。
「よく聴いたら、これフォークソング?」
という歌を取り上げようということで、
歌謡曲やと思うてたけどフォークかも?
という曲を出演バンドが1曲うたいます。
ときには、やっぱりそれ、歌謡曲(演歌)ちゃうかなあというのもあります。
この企画が始まってから、
フォークソングってなんやろ?
ってときどき考えるようになりました。
ぼく自身はフォークソングに定義はない気がするんですけど、
世間的には「こういうのがフォークソング」
っていうイメージはあるような気がします。
なので、あえていくつか定義を考えてみました。
フォークソングとは――
①フォークギターでうたわれる歌である
②フォークシンガーがうたう歌である
③そもそもフォークソングなのである
それぞれについて考えていきましょう。
①フォークギターでうたわれる歌
これはかなり言えてると思うんです。
フォークギター(いまは死語?)が、
レコードジャケットや宣伝写真にビジュアルとして使われていない
フォークソングを見つけることはかなり難しそうだからです。
とにかくフォークギターを抱えてうたっていれば、
フォークソングの匂いが漂います。
例外としてひとつ思いつくのは五輪真弓の「少女」。
これ、ピアノ弾き語りでしたけど、
初期の五輪真弓には強烈なフォーク臭がありました。
(探したらギター弾き語りもありました。さすが、うまい!)
②フォークシンガーがうたう歌
レコード会社がフォークシンガーだと宣伝してる場合、
本人がフォークシンガーと自認・自称している場合ですね。
レコードの帯なんかに「フォークの〇〇」「〇〇フォーク」とかって
うたい文句の入ってるやつ。
同じアルバムのなかにはフォークっぽくない曲も入ってたりしますが、
もちろんそれもフォークソングになってしまいます。
この場合も、やっぱりビジュアル的には
フォークギターがセットになってるケースが多いです。
ちなみに女性の場合、ほとんどが真っすぐなロングヘア―でした。
③そもそもフォークソングなのである
ボブ・ディランやその前のピート・シーガー、ウッディ・ガスリーなど
さらにはフォスターや移民の前のアイリッシュ民謡などなど、
伝統的なフォークの流れをくむフォークソングは、
日本人がうたっても、日本語詞をつけても、
やはりフォークソングではないでしょうか。
この場合もレコード会社などがフォークソングと銘打っています。
一旦フォークソングとレッテル貼りされた歌は、
ずっとフォークソングなのでしょう。
反戦歌でなくても労働歌でなくてもプロテストソングでなくても、
フォークソングになります。
ややこしいのはフォークソングに分類されてるけど、
本人はポップスだと思っている場合、どうなんでしょう。
「悲しみのジェットプレイン」はフォーク?
作詞作曲したジョン・デンバーは、カントリー系シンガーソングライター。
うたってヒットさせたピーター・ポール&マリーはモダンフォークの旗手。
この歌はどのジャンルに分類されるべきなのか。
以上、頭の体操として「フォークソングってなに?」を考えてみました。
ちなみにぼくがフォークだと感じるのは、
①フォークギターでうたわれ、
②メロディーはシンプルで(演歌調・歌謡曲調・日本民謡風ではなく)、
③歌詞は聞き取りやすく、
④内容的にはふつうの人々の喜怒哀楽に寄り添い、
⑤ぼくにもうたう順番がまわってくる歌
ってことです。
いちばん最後が大事で、下手な人でもうたっていい歌です。
上手な人しか無理な歌も多いですしね
「フォークソングってなに?」というより
「フォークらしさってなに?」というお話でした。