うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

アニメの100年一気読み

アニメがけっこう好きで、いまもけっこう見ています。

サマータイムレンダ」って面白いですよ~

和歌山県の離島を舞台としたSFサスペンス。

エイリアン+タイムループ+ミステリーものです。

 

日本で初めてアニメが制作されてから100年ちょっとたつそうです。

この本、読みやすくて、よく知ってる作品が登場するので、

一気に読めました。

アニメとアニメーションは使い分けされているらしくて、

アニメーションは動かない素材を動いているように見せる技術、

アニメは商品として制作された作品ということです。

実験的・芸術的な短編はアニメーションと呼ばれるみたいです。

 

懐かしいエピソードがいろいろ書かれています。

鉄腕アトム」はアニメに付随するビジネスでも稼いで、

主題歌の入ったソノシートは120万部を売り上げたとか、

それまで劣勢だった明治製菓のマーブルチョコレートが、

アトムとタイアップしたことで森永製菓のパレードを抜き返したとか。

そういえばマーブルチョコのふたを送ると

アトムのシールがもらえたなとか思い出しました。

 

ちなみにマーブルチョコは糖衣チョコというジャンルなんだそうです。

先行していた森永製菓のパレードチョコは、

チョコレートをシュガーコートした7色のカラフルチョコ。

容器(筒)のフタがおまけ入れになっており、

「動くバッジ」「マイクロ図鑑」「マイクロまんが」

「世界の小さな貝殻」などが付いていた。

そうです。

 

読んでいて意外だったのは、

あしたのジョー」が虫プロ制作だったこと。

1970~71年の作品で、監督は出﨑統(でざきおさむ)。

へ~~、知らんかった。

あと京都アニメーションは自身で作品をつくるまでに20年以上、

アニメ制作の下請けを続けていたというのも知りませんでした。

 

なるほどと思ったのが、高畑勲の言葉。

アニメーションで非常に現実的なことなどやる必要かない、

向いていない、とよく言われます。

しかし僕はそうは思いません。

アニメーションは優れた演者による落語の表現と同じ力も本来持っている。

よく知っていると思いこんで、関心も払わなければ、

その魅力に気付きもせずに過していることがらを、

ああ、人はこうして生きているんだなア、

という感動と共に再印象させる力があるはずなのです。

 

たとえば水道から水が出てバケツに注がれている場面を、

カメラで撮った動画で見るのと、アニメで見るのとは違うはずです。

アニメは一度アニメーターの脳内に再現された現実を見せるもので、

そこにはアニメーターの「解釈」が入っています。

水ってこういうふうに踊るんだとか、泡はこんなふうに湧き上がるとか、

そこにいろんな気づき、発見があって、それが見ている人に伝わります。

これを「再印象」という言葉で呼んでいるのだと思います。

 

ちょうど昨日、細田守監督の「竜とそばかすの姫」を見終えたところ。

これからどんなふうにアニメが進化していくのか、

楽しみにしています。