なかなかものが捨てられない人は多いと思います。
ぼくもまったくお気に入りじゃないのに、
日常使いのコーヒーカップはもう40年も使っています。
開店記念の景品でもらったものなんですけど、
お店はとっくに潰れたのに、このカップは、
落としても割れたり欠けたりしないんです。
お金を出して買ったカップもあるのに、
普段使いだからと同じのばかり使ってしまうわけです。
どうですか、この見事なハゲっぷり。
カップの横に描かれた絵がかすれて汚れみたいに見えます。
向こうにあるまともなカップと比べてみてください。
向こうのカップを拡大すると、これ。
コメダおじさんがコーヒーを飲んでるイラストが入ってますね。
ものを大切にするのはいいけど、お客さんに出すもんだから、
ここまでかすれたら新しいのと替えればいいのにと思いました。
そしたらこのカップ(お皿とセット)って、
買えば3300円もするんですね。
業務用にしてはごっつぅ高いやないですか。
メルカリでは9000円とか6000円で出品されててびっくり。
どういう人が買うんですかねえ。
新聞に紹介されてました。
九州の有名やきもの産地の職人らが多くを手作業で仕上げている。
現在は年間1万個を発注しているという。
客が使うのは4度の検品を通ったものだけ。
不良品としてはねられたカップには、
よく見たらわかる程度の黒点のようなものがあっただけ。
「じゅうぶん使えますが、お客様に出すカップは最高のものでないといけない」
と説明する。
そんな見えるか見えないか程度の瑕疵を気にするんだったら、
ぼくが飲んだみたいなハゲハゲのカップでコーヒーを出すって
おかしいですよねえ。
(ハゲのおっさんにはハゲのカップを出すんでしょか)
明らかにダブルスタンダードです。
真っ白な有田焼を作るための土は非常に貴重で、
枯渇しているんだそうです。
最近では「もったいない」を気にする風潮になったからか、
品質基準を満たせず廃棄の運命にあったカップを
「環境への配慮」を特色とする東京・吉祥寺西口店で使用しているほか、
持続可能性を訴えるサステイナブルのキャンペーンの景品にするなど
ロス減を進めている。
とのことです。
SDGsの時代には、使い古した器を使うほうが、
正しいおもてなしとされるのかもしれませんね。