うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

こんなファズじゃなかった!

先日の佐藤さんのライブで、日本のグラディー・マーティン、

荻野信彦さんがマーティ・ロビンスの「Don’t Worry」の演奏のあと、

間奏でファズを再現したという話をされました。

 

グラディー・マーティン(Grady Martin)は、

主に1950年代から70年代まで、ナッシュヴィルで、

トップクラスのセッション・ギタリストとして大活躍した人です。

マーティ・ロビンスのレコードで9割がたは、

この人の演奏によるものだそうです。

 

この「Don’t Worry」のレコーディングのときのこと。

ギターアンプ真空管がゆるんで、たまたま歪んだ音がしたそうです。

「録り直す?」という話が出たのですけど、

だれかが「これ、ええのちゃう?」と言って、

そのままアルバムが発表されました。

その音をイギリスではミック・ジャガーが、

アメリカではジミー・ヘンドリックスが、

というふうに世界中のミュージシャンが聴いていて、

あらゆるところからグラディー・マーティンに、

「またあの音でやってほしい」とリクエストがあったのですが、

いや、もう鳴りませんと答えるしかありませんでした。

真空管をねじったら直ってしまって二度とその音が出なかったのです。

 

ところが、スタジオにいたグレン・スノッディーという

ギブソンのエンジニアが2年かかって、

その音が出せるエフェクターをつくったんです。

その音には「ファズ」という名前がつけられました。

ファズ(fuzz) とは割れた音色や雑音を示す擬声語

"fuzz"とは‘毛羽立った’という意で、名前もそれに由来する。

ウィキペディアにあります。

 

このエフェクターはマーティのアルバムの2年後にできて、

ローリングストーンズが「サティスファクション」で

初めて使って大ヒットしたという話でした。

まさに瓢箪から駒、怪我の功名で生まれた音なんですね。

事実関係はよくわからないので、ウィキペディアを見たら

以下のように書かれていました。

 

グレン・スノッディーが最初に開発したFAZZTONEを

初期の段階で使用したのは、

アメリカのレス・ポール&メアリー・フォードや

グラディー・マーティンである。

その後ベンチャーズノーキー・エドワーズも使用している。

リッチー・ブラックモアの発言によるとイギリスでは1960年に

バーニー・ワトソンがスクリーミング・ロード・サッチのグループにおいて

"Jack The Ripper"(1963)という曲で初めて使用したとのこと。

ビートルズもファズに注目するのが早く録音にも使用しているが、

ジョージ・マーティンがその音をきらい、ボツにされてしまった。

その後はキンクスローリング・ストーンズや、ジミ・ヘンドリックス

リッチー・ブラックモアジェフ・ベックジミー・ペイジなど、

多くのロック・バンド、ギタリストが使用した。

 

ちなみに、グラディー・マーティンがレコーディングで使った

同じ(型の)アンプが 西宮フォートワースのステージにあって、

その音で佐藤さんのライブは仕上がっていたのですね。

てことで、6月28日の佐藤さんのライブは、

本格的なマーティ・ロビンスのアルバム再現だったわけです。