こないた見た音楽番組「MUSIC BLOOD」、
ゲストは森山直太朗でした。
ご存じ、フォークソングの女王、森山良子の息子さん。
森山家ではつねに、打ち上げを兼ねた、
うたいながらの大宴会が行われていたそうです。
泉谷しげる、南こうせつといった人たちが来て、
その中に玉置浩二もいたんですって。
直太朗少年は、この宴会がたまらなく嫌で、
これが始まるとすぐに部屋に閉じこもっていたそうです。
なぜなら「直太朗もうたえよ」と必ず誘われるから。
彼は偉大な母を持つがゆえ、人前でうたうのが嫌いだったそうです。
そんな気持ちも知らず誘い続けたのが玉置浩二でした。
直太朗少年(当時、中学生)にとっては
「毎日来るただの酒飲みのおっさん」だった玉置浩二。
ところが、高校生になったあるとき、
テレビで偶然目にした玉置浩二の歌声に
電流が走るほどの衝撃を受けます。
そして突然、歌手の道に進むことを決めたのです。
その運命の曲がこれ。
うまいですねえ、たまらん歌の力を感じます。
さすが「神の歌声」。
森山直太朗の人生を変えただけはあります。
以下、直太朗の発言です。
「SACRED LOVE」っていう曲があって、最後の
愛の灯の永遠を~
っていうそのエ~っていうところ、ちょっと人智を超えていると言うか、
ぼくは玉置浩二の”ラ”って呼んでるんだけど、
この玉置さんの楽曲には、ラの音をすごく多用するというか、一番最後に。
ヒラウタはファルセットでいってるのに、
最後そこ、スコーンと地声でいくみたいな。
ラの音ってAですね。
ぼくの好きなグラハム・ナッシュやアート・ガーファンクル、
ニール・ヤングも出してたと思います。
男性にとってはとても高い音で、だけど、
それが出せるだけじゃなくて、これほど表現力をこめてうたえるって
やっぱり玉置浩二はすごいって思います。
番組の半ばで森山直太朗が「SACRED LOVE」をうたいました。
勇気あります。
この曲はうたったことないんです。
それはあの玉置浩二が出してた”ラ”を、ラの音を出したいっていう、
あんな表現をしてみたいっていうことが、
自分のこの活動を始めた大きなきっかけだったから、
あの世界といまぼくがいる現在地を、現実が見えるってことだから、
現実って見たくないじゃないですか。
まあ、正直うたいたくない。
だけど俺も変わって、いち表現者として、いまぼくは旅の途中にいるし、
失うものなんてなにもないな、いま自分の現在地をね、知るような、
そんな感覚で、この曲を歌ってみようかなと思ってます。
えらい! 森山直太朗、えらい!
ぼくは直太朗の「ラ」に注目(注耳?)しましたとも。
いや、それはもう、森山直太朗はうまかった。
さすが、すばらしいです。
なんちゅうか、玉置浩二とはまた違うというか。
そりゃあ、もう、やっぱり……。