うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

ローマは一日にして成らず、ぢゃ

塩野七生の本はどれも面白い。

レパントの海戦」「コンスタンティノープルの陥落」

ロードス島攻防記」の3冊を文庫で立て続けに読んだ勢いで、

ローマ人の物語」を次のターゲットに定めました。

30代の頃ですかねえ。

勇んで単行本を買ったのはいいけれど、

どこをどう間違えたか、それが第2巻だったのです。

どうせ読むなら1巻からと思い、長い間、ほったらかしにしてました。

 

それで最近、書棚の整理をしていて、これを見つけ、

また思い立ったわけです。

若い頃に買った単行本を読むために、第1巻を図書館で借りました。

単行本の第1巻は、文庫では上下巻に分冊されています。

 

てことで、これ。

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ローマ建国の話ですが、

王の名前がロムルスというので、

ローマと呼ばれるようになったそうです。

紀元前753年4月21日、ロルムスは弱冠18歳。

この若者と彼についてきた3000人のラテン人によって、

ローマは建国されたということです。

 

面白かったのは、この3000人のほとんどが

独り身の男だったので、ロルムスが最初にやったことは、

他民族の女たちを強奪することだったという話。

ローマ人たちは近くに住むサビーニ族を祭りに招待して、

やってきた若い女たちを一斉に奪いました(お持ち帰り?)。

当然、戦いになるんですけど、とうとう4回目の戦いで、

強奪された女たちが間に割って入って戦いをやめさせます。

なぜって女たちは正式な妻としての待遇を受けていたから。

てことで、和平が成立したんだそうです。

花婿が花嫁を抱き上げて新居の敷居をまたぐという欧米の風習は、

このローマ人の習慣の名残なんですって。

 

もうひとつ面白かったのが夫婦喧嘩の守護神の話。

ローマは多神教の国で、いろんな守り神があがめられていたそうです。

口げんかの収まらない夫婦は、

夫婦げんかの女神ヴィリプラカを祭る祠(ほこら)に行って、

その前でまた激しく口ゲンカを続けます。

ただし祠にはルールがあって、

女神に向かって訴えるのは一時に一人と限られています。

信心深いローマ人は女神の前ではルールを守るので、

相手がしゃべっているときは、黙って話を聞かざるを得ません。

そうすると相手の言い分にも理がないわけではないことに気づいてきます。

これを双方で繰り返しているうちに、興奮が冷め、

落ち着きを取り戻し、ついには二人仲良く祠を後にする…………。

といった寸法だそうで、なんかうまく考えられてますよね。

 

ちなみに一神教であるキリスト教では、人々が求める守り神を、

守護神とするわけにはいかないので守護聖人と呼んだそうです。

以下、引用です。

一神教多神教の違いは、ただ単に、信ずる神の数にあるのではない。

他者の神を認めるか認めないか、にある。

そして、他者の神を認めるということは、

他者の存在を認めるということである。

 

おっと、ここまで半分しか読めてないけど返却期限が来ました。

また借りないと……

ローマ人の物語」の読了は一日にして成らずぢゃ。