うめはらなかせの日記みたいな掲示板2

アコースティックギターの前にすべての曲は平等である

おいしいハモのつくり方

ハンバートハンバート、大好きなんです。

前にも書いてますけど、歌がいい(作詞作曲がグッド)、

ギターアレンジがいい、そしてハモがいい。

三拍子そろってます。

うたい方にあざとさもなくて、

ギター一本男女デュオの鑑みたいなバンドです。

 

今日はハンバートハンバートのハモのことを。

単にハモればいいというんじゃなくて、

ハモだけでおいしいというか、美しい(かっこいい)んです。

ハモはメロディーと同じコード進行でつくった

もう一つの主旋律のように聴こえます。

 

たとえばハンバートハンバートのファンならみんな大好き、

「虎」っていう歌のハモ、聴いてみてください。

 

ピース又吉大絶賛】

夫婦デュオこの2人にしかできないハモリで心地いい異次元のハモり。

『虎』ハンバートハンバート

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こちらはCDでもおなじみ、旦那さんがメロディーで、

奥さんがハモです。

いいですねえ。

ありきたりじゃないです。

予想を裏切ります。

メロディーの起伏をなぞったりもしません。

メロディーが上がっていくとハモは下に行く、

逆張りみたいなこともあります。

 

そしてこちら。

今度はパートをチェンジ。 

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ハモはうたい上げられてます。

もはやメロディーを引き立てる存在じゃないです。

ダブル主演みたい。

ときにはメロディーによりそい、ときにはメロディーと交差し、

同じコード進行のなかで、斬新に、自由に、躍っています。

どうやったらこんな素敵なハモが思いつけるんでしょう。

シンプルなコード進行上に強いメロディーがあるからこそ、

いいハモができるのだとは思うんですけれど……。

 

ハモをつくるって、コード進行のなかから

「もうひとつのメロディー」を発掘することなんですね。

きっとそれは正しい耳をもった人に、発掘されるのを待ってるんです。

彫刻の話といっしょですね。

あれは眉や鼻をノミで作るんじゃない。

あの通りの眉や鼻が木の中に埋まっているのを、

ノミと槌の力で掘り出すまでだ。

まるで土の中から石を掘り出すようなものだから

けっして間違うはずはない

――夏目漱石