昨日の畑。
もう皆さん、夏野菜の準備を始められてて
トマトや三度豆の苗が植えられている畝がならんでいました。
例によって、出遅れの私は「頑張ります」なんて言って
畑を見渡してると
いつも親切にしてくださる方の畝に大好きな「矢車草」が
咲いていました。
「かわいいですねえ」と欲しそうに言うと
「欲しかったら、欲しいていわんとあかんやん」と
切ってくれはりました。
青がいいですよね。このモソモソした花びらが何とも言えず愛らしい。
ツタンカーメンのお墓、枕元に備えてあったと聞きましたが、
調べてみるとそうでもなく、花輪のなかに入っていただけらしいです。
でもね、その時代からずっと矢車草は咲いていて、若い王妃が
枕元に手向けたって思うと、この花のあどけなさが倍増するってもんです。
10年ほど前に150坪もある大きな畑をしていたとき、
畑と言うより、花畑だったんですけど、
そこを通りがかって、何かしら教えてくれはった100歳になろうかと言う
百姓のおじいさんがいはりました。二つ折りで自転車をこいではりました。
花が好きそうで、「ここを通ると元気が出るんや」と言うてはってね
あるとき、この矢車草を見つけて
「きれいやなあ。わし、初めてみたはその花」
「持って帰らはりますか?」
「ええか、仏さんにお供えするわ、青いのを切ってくれるか」と
言わはってね。
切り始めると、
「あんた、若いのを切ってや」て声がしました。
若いのって、花にもそんな言い方があるんや。
と苦笑しました。
青が欲しいって、趣味のええおじいさんでした。
帰って、お仏壇の奥さんにお供えしはったんやろか